かまぼこを遠く離れて。

 休日出張で野外仕事。小田原なので新幹線で行く。


 小田原駅で降りるとホームにキオスクが。近づくとウエッジ文庫が並んでいる。素白本や洲之内本はあるが「書痴半代記」はない。


 ホームからエスカレーターで下に降りると大きな売店に大きめのウエッジコーナーがあった。ここでは平山蘆江本まではあるが4月の新刊はなし。ここで、ウエッジ文庫の発売日がまだ来ていないのではないかと気づく。岡崎さんや林さんのブログで見たのは献本であり、書店販売本ではないのだ。小田原でかまぼこを探すのならわかるが、ウエッジ文庫を探してしまう自分にちょっとあきれる。


 あきらめて仕事へ。天気がよく、日差しが強い。今日は待機場所が野外で日よけもなし。長時間いると直射日光で頭がぼうっとしてくる。日差しを避けて周辺を散策。“牧野信一文学碑”という矢印を見つけて木々に覆われた細い坂道をのぼる。文学碑は見つからず、大きな慰霊碑の前に出る。ボーイスカウトの格好をした人々が手旗信号の練習をしている。どこかの運動部が走りすぎて行く。木陰のベンチを探して読書。


 今日の携帯本は坪内祐三「ストリートワイズ」(講談社文庫)。「一九七九年の福田恆存」を読む。福田氏が翻訳したロレンスのアポカリプス論「現代人は愛しうるか」が重要な1冊として出てくる。ああ、昨日ブックオフでこの中公文庫を見かけたのに。買わなかったことを悔やむ。


 本を閉じて牧野信一文学碑を探しに行く。細い道を進んでいくとポコリと昔の日本の風景に出る。人の手がしっかりと入った畑、垣根、庭木など清潔な生活風景に魅了される。しばらく歩くとうっそうとした竹林が続き、風もひんやりと心地よい。結局文学碑には出会えず仕事に戻る。


 夕方、小田原から新幹線で掛川に出張し、そこで仕事終了。帰りは「浜の釜めし」という駅弁を食べながら新横浜へ。