落語が落語を連れてきた。

 職場で机の移動を控え、引き出しの中やロッカーの中を整理する。シュレッダーに大量の紙を食わせ、台車を押してゴミ捨て場を往復しているうちに6時になる。


 いかん、7時から西荻窪で「だいこんの会」があるのだ。急いで支度をして職場を出る。恒例のプレゼント交換の品は今日の整理の戦利品である『暮しの手帖』ポストカード、ハンカチ(バーバリー)、『ちくま』2009年1月号、『志ん朝の落語』(ちくま文庫)などを脈略なく袋に詰めたもの。


 ちょうど来た電車に飛び乗り、携帯本である吉村昭「私の文学漂流」(ちくま文庫)を読みながら西荻に向かい、7時を10分ばかり過ぎた頃に到着。会場の「三善」に上がるとちょうど会が始まろうとしているところだった。間に合った。


 岡崎さん、北條さんをはじめとするいつものメンバーに初参加の方を加えて楽しく飲み食い。先日ブログに書いた元上司からの見合い話を断った件に対して数人の方から問い質される。裏事情などをお話し、ご理解いただく(いただけましたよね)。


 北條さんから『buku』最新号を、澄子さんから『すだより』をいただく。


 自己紹介が終わり、会もいい感じにくだけてきたところでプレゼント交換。僕が当たったのは工作舎の石原さんが持ってきた落語の貴重音源が詰まったCD11枚組だ。これはうれしい。僕のプレゼントに落語本が入っていたからだろうか。うまく落語を連れてきてくれた。この会のプレゼント交換ではいい思いをさせてもらっている。この企画は今後も続けてほしいな。


 場所を移しての2次会にも30分ほど参加をして帰る。「私の文学漂流」を読みながら。吉村氏が小説家として軌道に乗るまでの半生記。4回芥川賞候補になっても受賞できず、文芸誌からの依頼も少なく生活も困窮する様を冷静かつ簡潔に描いている。マラソンの給水所のように時折吉村氏の仕事を認める編集者や記者が登場する。その代表者として江國滋豊田穣古山高麗雄といったよく見知った名前が登場し、比較的あっさりと退場していくその淡白な書きぶりもいい。


 帰宅。明日は朝から出張野外仕事があるため日記も書かずに寝る。