金の音。 


 朝、職場で昨日の朝刊各紙を見て読書欄をチェック。


 先日の校正仕事がやっと終わったと思ったら今日また新しい校正の仕事が舞い込む。やれやれと思いながら赤ペン片手に机に向かう。


 仕事を終えて急いで帰宅。夜8時に荷物が届く予定なのだ。


 ピンポン、と鳴って宅急便到着。届いたのは本。


 「昭和文学全集14巻」

 収録されている作家は、上林暁和田芳恵野口冨士男川崎長太郎八木義徳木山捷平檀一雄、外村繁の8名。


 アマゾンのマケプレを見ていたらこの作家たちの並びに思わず欲しくなる。定価4000円が1300円ほどだったので衝動買いしてしまったのだ。


 各巻4000枚以上収録という厚い本を箱から抜き出し、ぱらぱらと見る。3段組みだかそれほど文字が小さくないので読みやすい。


 上林暁のページに「暮春日記」という昭和40年の闘病日記が載っている。この年の2月に山川方夫が、3月に小山清がなくなっていることが記述からわかる。なんだかこの2人が同じ年に死んでいるのが不思議な気がする。


 巻末の各作者の解説「人と作品」を見ると荒川洋治さんが檀一雄と外村繁を担当している。


 なかなか楽しめそうだなと思いながらページを繰るとその度ぱりぱりという音がする。なんだと思って本をよく見ると天金になっているではないか。天金の本なんて久しぶりだな。