柔らかい白と硬い白。

 昼過ぎまで野外で仕事。風が強い。


 冷えた体を電車の暖房で温めつつ神保町へ。古書会館で行われている新宿展と『みすず』の読書アンケート特集を買いに来たのだ。


 新宿展はいつも通り白い本が多い。蓮實重彦「『私小説』を読む」は見当たらず。新刊で買うつもりだった庄野至「三角屋根の古い家」(編集工房ノア)とサイデンステッカー「谷中、花と墓地」(みすず書房)を見つける。編集工房ノアみすず書房の本はともに白を基調としているが、ノアの白は柔らかくみすずの白は硬く感じる。ともに好きな白である。


 日曜開店のいつもの古本屋を流して小宮山書店のガレージへ。このところここで3冊買えたことはなかったのだが、まず山田稔「コーマルタン界隈」(河出書房新社)を発見し、その後あと2冊を探していると中野好夫「蘆花徳冨健次郎 第二部」(筑摩書房)と中野好夫「蘆花徳冨健次郎 第三部」(筑摩書房)があった。第一部は何処にとあちこち見て回るも見つからない。まあ、これでちょうど3冊だと納得する。


 東京堂で『みすず』を探すが1階になし。3階に上がり畠中さんに聞いてみるがないとのこと。その後、三省堂書泉グランデを覗くも置いていなかった。やっぱり日曜日で岩波ブックセンターが休みなのが痛い。また今度とあきらめて帰る。


 帰宅後このところの携帯本であった坪内祐三「考える人」を読了。連載、単行本、文庫本と3度読んだが神谷美恵子の章は見事だな。また、「神谷美恵子日記」(角川文庫)を読みたくなる。深代惇郎の章もうまい。前回読んだ後にブックオフで「深代惇郎天声人語」、「深代惇郎エッセイ集」を買ってしまった。