コビトは雑食。

 ウイダー生活2日目。


 職場では机の上に校正原稿の山が。昨日今日と見続けているのだがなかなか終わらない。ふ〜う。


 退勤して本屋へ。


 特設の平台には村上春樹文庫本がずらっと並んでいる。さすがは春樹本、ほとんどのものがまだ現役なのだな。“「ノルウエーの森」映画化記念フェア”らしい。監督はトラン・アン・ユンだと聞く。彼の「夏至」は好きな映画なのでとりあえず楽しみにしておこう。


 夏には新潮社から村上春樹最新長編が出るそうだ。今回は長いほうの長編なのか短い方の長編なのかどっちだろう。


 本屋を出て同じフロアのトイレに入ると洗面台の前で若い父親と5歳くらいの男の子が話をしている。

 「家の中にコビトがいるっていうんだな?」
 「うん」
 「どこにいるんだ?」
 「家具の後ろとかに」
 「じゃあ、今度そいつらにうちの中を掃除してもらえ」
 「なかなか、出てこないんだよ」
 「タダで家に住まわせてはおけないよ。いるなら掃除ぐらいやらせなきゃ」


 こんな会話をBGMにして用をたし、親子をすり抜けるように手を洗って外へ出ようとした時に聞こえてきた最後の会話。

 「コビトは何を食べているんだ?」
 「雑食」


 小人は雑食であることを初めて知る。それにしても5歳くらいで「雑食」なんて言葉を知っているんだなあと感心する。


 帰宅して、「オールド・ファッション」読了。

 読後、蓮實重彦作品を久しぶりに読みたくなる。「『私小説』を読む」という未読の本があったことを思い出す。出版当時はあまりそそられなかったのだが、今はちょっと読んでみたいと思う書名だ。