一葉を一葉見る。

 職場で仕事中に机の上の書棚に積み上げていたファイルや書類が頭の上にズロロロギュルルルと崩れ落ちてくる。


 周囲の同僚の動きが止まり、みんなの視線がこちらに集まる。あわてて雪崩の復旧工事。


 退勤後、本屋へ。

 こんなものを見つける。

 『歴史読本』3月号。特集“古写真集成 明治人の肖像”。皇族、華族、政治家、軍人、実業家、作家、ジャーナリスト、芸術家、役者、落語家、宗教家、外国人など項目別に肖像写真と簡単なデータがついているので、簡便な明治人物事典としても使える。とにかく、名前は知っているが顔を知らない人たちの顔写真を見ているだけでも飽きない。「坂の上の雲」ドラマ化を受けてだろう秋山真之は特別アルバムで写真も数多く載っている。これを手元に置きながら小説「坂の上の雲」を読んだら楽しいだろうと思い買っておく。

歴史読本 2009年 03月号 [雑誌]

歴史読本 2009年 03月号 [雑誌]


 今日から携帯本は堀井憲一郎「落語の国からのぞいてみれば」(講談社現代新書)。落語を通じて江戸時代の生活を描きつつ、現代人の生活を逆照射しようとしている。さすがに堀井さんだけあって面白い。巻末の参考文献や登場落語の解説が充実していてすばらしい。これだけでも買う価値あり。


 帰宅後、『歴史読本』を眺めていて、樋口一葉の写真を見つける。5千円札の肖像とは違う一葉の写真を初めて見た。下ろし髪の小柄なその姿は、今どきの女子高生のような顔をしている。ちょっと一葉に抱いていたイメージが変わった。


 その後、小田光雄「古本探究」を読む。