俗論ふんぷん。


 4時半起きで仕事に出る。外に出るとまだ明けきらぬ夜空の濃紺と明けようとする朝焼けのオレンジの二層が、冷え冷えと澄んだ朝の空気に鮮やかに目に映える。始発のバスで仕事に出る気持ちの辛さを一瞬和ませてくれる。


 午後2時過ぎまで寒い野外で仕事をし、それから外市へ向かう。朝コンビニで買っておいた昼食用のおにぎりを食べていないので乗り換えの渋谷駅のホームのベンチで食べる。ホットで買ったウーロン茶は気持ちよいくらい冷え冷えになっており、おにぎりも風邪で熱のあるときに食べたらアイスを食べた時のような爽快感があるだろうなと思わせる冷たさで口内を通過していく。


 4時近くに往来座に到着。気温は昨日とあまり変わらないのだが、風がない分今日は楽だ。お客さんの数も随分多い。明日も休日ということもあるのだろう、お客さんにもどこかしら余裕のようなものが感じられる。


 塩山芳明さんに挨拶。塩山さんはとてもマメにいろいろなブログをチェックしており、この晩鮭亭日常も毎日見てくれている。以前には「お前は、いつもシャワーばっかり浴びてるな」ということで“シャワー系ブログ”の名称をいただいたのだが、「最近は全然シャワーが出てこないじゃないか。あんたのブログは当たり前で面白くもない俗論ばかりが書いてあるな」ということで新たに“俗論系ブログ”の名を頂戴する。
 古本とジャズと落語が好き、世間で評判の本ばかり読んで面白くもない感想を書いているとあれば確かにそう言われても仕方ないですね。とはいえ、身の丈に合わないことをしても続かないので、今後も変わりばえのしない俗論ふんぷんのブログですが、よろしくお願いします。


 初めて蟲文庫の田中さんにお会いする。一応「コケましてカメでとうございます」と言ってみる。ちょっと笑っていただけたので救われた。


 今日は6時終了なのだが、最後まで人が途切れなかった。みちくさ市でご一緒したとみきちさん(ご夫妻)に声をかけていただく。お2人とも本が好きなのだなあということが伝わってきた。

 
 古書現世から舟橋聖一「悉皆屋康吉」(講談社文芸文庫)を買う。


 もう恒例となった撤収作業を済ませ、今日の打ち上げ会場である池袋駅前の大馬鹿地蔵・だいこんの花店へ。ひとフロア貸切で広々と飲み食いできるありがたい店だ。その広いフロアの中央に南陀楼さんがひとり座ってわれわれの到着を待っていた。
 撤収作業で腹が減ったためバクバク食べる。なんだか3夜連続で同じようなことを書いているなあ。食べすぎだよ。

 近くの席の塩山さん、南陀楼さん、武藤さんの3人の楽しい会話を聞いたり、武藤さんが魚雷さん、向井さん、北條さんと闘う3番勝負を観たり、楽しい一夜でした。


 今回の伴健人商店は持って行った約140冊のうち、ほぼ半数の67冊が売れました。お買い上げいただきましたみなさまありがとうございました。



 今日の携帯本である浅見淵「新編 燈火頬杖」(ウエッジ文庫)を読んだりしながら帰宅。


 (1月16日追記)

 今日しばらく見ることができなかった(場所が変わってしまっていた)塩山さんのブログを読んだところ「俗説」ではなく「俗論」と書かれていたので、訂正しました。「俗論の権化」で“俗権”だそうです。