嘘と本当と笑い声。


 



 マイクロバスで市街から山に向かって行く。旅の疲れか同僚が大きなイビキをかいて寝始める。「ンガー、ウンゴー」とさして広くない車内に響き渡る。同席者も苦笑い。そのうち陽気なオーストラリア人の運転手がイビキの口真似を始めた。本物と偽物と笑い声を乗せてバスはハイウエイを飛ばしていく。