かくて決めたり。

 5時半に起きてシャワーを浴び、食堂で同僚たちと合流して朝食。


 車で20分ほどの仕事場に移動する。日が出ず思ったよりも寒い。


 今回の出張では予想していた結果が出せなかった。現実は厳しいな。普段の力を出し切ることの難しさも感じた。


 予定より早く、帰路につく。また出直しだ。


 関越の上里パーキングで休憩。佐世保バーガーの看板が目をひき、建物の中では九州の物産展が行われている。ここはどこなのだろうと一瞬わからなくなる。自分の立ち位置を確認するように、“おやき”を買って食べる。やはりその土地の名物を食べるのが一番だろう。茄子好きなので茄子入りのおやきを選ぶ。


 途中都内の渋滞につかまったものの6時過ぎには横浜に戻ってこれた。


 同僚と別れ、本屋へ。


 買いそびれていたこれを購入。広瀬正小説全集の4で、長編は前作「エロス」で終わり、ここから中短篇集となる。


 帰宅後、出張中読み続けていた「六十一歳の大学生、父野口冨士男の遺した一万枚の日記に挑む」を読了。正直、作者の会社員生活や大学での研究生活にはあまり関心が持てず、僕の興味は野口冨士男日記に関する部分に集中した。そこだけ取り出せばとても面白く読んだといえる。
 野口冨士男という作家に関しては以前から興味があり、本も5冊ほど持っているのだが、まだちゃんと読めていない。この本を読むまではどちらかというと「わが荷風」、「私のなかの東京」、「感傷的昭和文壇史」といったエッセイ系に関心が強かったのだが、まずは小説家としての姿としっかり向き合わなければいけないと思い直し、先日の一箱古本市で塩山さんの嫌記箱から買った野口冨士男「しあわせ|かくてありけり」(講談社文芸文庫)を読むことにしようと決める。