ふさわしくない豆腐。

 今日は休日出張の野外仕事。思いのほか日差しが強く、汗ばむ。


 途中、いつもの休憩所に行って戸板康二「思い出す顔」を読みながら小一時間休憩する。安鶴さんの話がいろいろ出てくる。戸板さんが東宝の嘱託のようなことをしていた時期にクレージーキャッツ映画「花のお江戸の無責任」の原案を考えたという話が面白い。



 野外仕事が昼過ぎで終わったので、たまった仕事を片付けに職場へ向かう。途中のマックでマックリブ・セットをテイクアウトして職場へ。


 日曜出勤でうれしいことの一つが職場に置いてある各新聞の日曜版から読書欄を読むことだ。マックリブをほお張りながら毎日新聞の読書欄を読んでいると堀江敏幸さんが神西清小説選集の書評を書いている。チェーホフの翻訳者として名高いこの人の小説家としての魅力を語っていて読ませる。そういえば、三省堂で行われた「新・文學入門」フェアのとき山本善行さんの箱から神西清小説作品の中公文庫を買ったことを思い出す。今度読んでみよう。



 夕方まで仕事をして帰る。


 帰途サブカル系古本屋に寄る。100円棚から。

  • 大塚英子「夜の文壇博物館」(出版研)


 通常棚から。


 ともに偶然ながらスキャンダラス系になった。レジに並んでいると前のお客がCDを数枚買い3千なにがしかを払っている。僕の番となり2冊で310円払う。う~ん、この差は。



 いつもの本屋にも寄る。

  • 『monkey business』vol.3

モンキー ビジネス 2008 Fall vol.3 サリンジャー号

モンキー ビジネス 2008 Fall vol.3 サリンジャー号

柴田元幸サリンジャーナイン・ストーリーズ」特集号。これは買ってしまうね。


 新書棚で今月の新刊をチェック。文春新書でこれまで自分の見た中で一番長い題名の1冊にひかれる。この本が書かれる元になった野口冨士男氏の日記が現状の出版状況の中で刊行されるのは難しいだろうが、ぜひ出版してほしい。
 集英社新書でこれまで自分の見た中で一番分厚い1冊に驚く。ここまでして新書で出さなくてはいけないのだろうか。それだけハードカバーで本を出すことが難しくなってきているのか。



 帰りのバスで桂米朝はてなの茶碗」。まくらで「名代の古本屋、天牛書店でわたしの色紙に2万円の値が付いていた」というエピソードが。


 バス停前のコンビニで夕食を買いこむ。このところ欠かせない一品となっているのが“男前豆腐”。レジの女性の前にこれを持っていくのに抵抗がないわけではないが、豆腐が男前なんであって、食べる男がそうでなくてはいけないということではあるまい。



 帰宅後、高島俊男「寝言も本のはなし」を読み終えて、『monkey business』から「バナナフィッシュ日和」を読む。恥ずかしながら初読である。短篇集の最初の1篇としてはもう完璧だ。最後の1文にゾクリとする。