待ち伏せする山口昌男。

 今日は遅番の日なのだが、仕事が立て込んできてそれどころではなくなり、早めに家を出る。


 仕事に追われ追われて夜8時まで。退勤して本屋へ。文芸コーナーの棚を眺めていたらこれを見つける。

本の狩人―読書年代記

本の狩人―読書年代記


 この店は必ず1冊右文書院の新刊が入る配本パターンになっているらしく、この本も1冊棚にささっていた。実は、先日出張野外仕事用の鞄の中身を整理していたところ紙が入ったコンビニ袋が出てきたので、おおかた捨て忘れたゴミだろうとゴミ袋に入れようとして紙の模様に気づいて手が止まる。なんとそこには見慣れた千円札の模様が。いや、模様ではなく千円札そのものが入っているではないか。さっそく中身を確認してみると4枚の千円札が畳んで入っていた。しばらくこの四千円がなんの金でどうしてコンビニ袋に入っていたかを思い出せず、ぼんやりしてしまう。だが、すぐに自分の受け取るべきおつりだったことを思い出し、しめしめこれでまた本が買えるぞと財布に追加しておいたのだが、ちょうどそれに見合う本を見つけてしまったというわけだ。まるでこちらの財布の中身を知っているかのような値段設定をしてくるとは恐るべし右文書院。まるで山口昌男さんに待ち伏せをされたようだ。


 帰宅して、10ページほど残っていた矢野誠一戸板康二の歳月」(ちくま文庫)を読了。面白く、いい本だったな。戸板康二作品を読みたくなる本。評伝・人物伝はそうでなくっちゃ。