霧の向こう側。


 朝4時に起きて家を出て同僚たちと合流し、車で出発。北に向かう。


 東北道帰省ラッシュで混んでいた。


 高速を降りて山道に入る。急に濃い霧が立ち込めてくる。前を行く車の姿さえ見失いそうになる。道を外れれば崖をまっ逆さまだ。


 しかし、白いベールに包まれた世界はすでにこの世なのかあの世なのかも曖昧に見える。