忘られぬ狐。


 今日はいろいろなものを忘れる日。


 野外仕事の後にフェイシャルベーパーを更衣室に忘れ、夕方からあった職場関係の食事会に向かう電車の中に傘を忘れる。


 食事会終了後、地元に戻って本屋。すぐにちくま文庫のある棚の方へ。

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 まっていたこれが出ていました。早速手に持っていそいそとレジに向かう。帰りのバスの中でもうひとつ買う予定であった文庫を買い忘れたことに気づいた。


 帰宅後、「もっと、狐の書評」を読み始める。以前に出た「水曜日は狐の書評」(ちくま文庫)以外の単行本からセレクトした書評に単行本未収録のものを加えて編集された文庫オリジナル。

 まず、巻頭から杉本秀太郎幸田文武田百合子という読書好きの琴線をくすぐる人選で書評が並ぶ。我ながらその流れにいとも簡単に心をつかまれてしまう。その後に出てくる武部利男編訳「白楽天詩集」(平凡社ライブラリー)に興味津々となる。さっそく欲しい本が出てきてしまった。面白過ぎて駈け足になるので、ここは一息入れて岡崎武志さんによる解説を読む。僕がおっと思った書評が次々と引用されていて心地よい。
 また、「日刊ゲンダイ」に書かれた書評以外の未収録書評リストが巻末についているのが便利。

 忘れっぽい僕でも狐の書評の面白さだけは忘れられないな。