降っても晴れても七夕。


 雨の七夕。傘をさして職場へ。

 
 まず月曜の朝は職場で昨日の朝刊をチェック。もちろん開くのは読書欄。毎日新聞の読書欄で坪内祐三さんが野坂昭如氏の3冊を挙げている。また、読書欄ではないが日経新聞の裏面に堀江敏幸さんがエッセイを寄せていた。それらを読んだ後、備え付けの『ちくま』を持ち出して、荻原魚雷さんの「魚雷の眼」に目を通す。今回は十返肇の話。飲み屋に行っても早く切り上げることができず、明日の二日酔いを予感しながらもグズグズとあきらめ悪く飲みつづける十返肇の姿に魚雷さんは親近感を抱き、その著書を同じく文学を生き死にの場所として選んだ先輩の書として愛読してきたことが語られている。十返肇を読みたくなった。
 

 今日はデスクワーク中心の日。眠くて何度も持ったペンを書類の上に落としながらも今日の予定をこなして退勤。


 朝の雨が嘘のように昼から晴れた天気に、傘を荷物にして帰る。


 途中、地元の古本屋を覗く。ここで以前、中野好夫「蘆花徳富健次郎」を見た記憶があったので寄ったのだが、やはりもうなかった。


 バスで桂枝雀「植木屋娘」を聴く。


 帰宅後、丸谷才一「月とメロン」から1編を読み、その後先日読んだ『考える人』収録の鶴見俊輔×高野文子対談の影響もあって高野文子「黄色い本」を再読する。ヒロインたちが話す言葉に父方の一族と同じ方言を聴き、彼女の高校時代を彩った黄色い「チボー家の人々」が図書館に返却される日付が僕の誕生日と同じであった偶然に今回初めて気づいた。

 その後、平塚の萬葉堂書店で買った十返肇「文壇の崩壊」(村山書店)を取り出して眺める。