今日は遅番。朝のんびりしていると隣りの空地でダイワハウスの賃貸住宅を建てるための工事が始まった。土台をつくるために重機が土を掘り返している。その振動がこの部屋まで伝わり、歯を磨いている時に音を立てて本の山がひとつ崩れた。
通常、昼間は仕事に出ているため、工事の音などを気にする必要はないのだが、この振動は困りものだ。帰宅したら本の土砂崩れで足の踏み場もないなんていうのは願い下げにしたい。
携帯本として高島俊男「漢字と日本人」(文春新書)を鞄に入れる。以前に一度読んでいるので再読となる。ささやかな高島俊男祭を開催中。
歯医者へ。予約時間に結構遅れて到着。いつもは待合室で結構待たされることが多くて、携帯本を読み進めるのにちょうどいい時間になっている。ところが、今日に限ってすぐに名前を呼ばれてしまう。携帯本を開く暇もなかった。
診療台に横になり、口を開くと先生が「最近、体調の方はどうですか?」と質問してくる。なにか、口の中に体調の異変を示すものでもあったのだろうか。特に問題ないのだが。
職場に着いてPCを立ちあげると、ニュースで死刑が執行されたことを知る。席を立って職場の掲示板に今日の連絡事項を見に行くと、休職していた同僚が亡くなったとの通知が掲示されていた。2人ともほぼ僕と同年輩だ。同じ人の死なのに、なぜこれほどまでに大きく隔たったものとして僕の前にあらわれるのだろうか。
退勤して本屋へ。最近売れていると評判のこれを。
- 作者: 小林多喜二
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一瞬、平野甲賀装幀のカバーかと思ったのだが、確認すると「蟹工船」の初版本に使われていた図版らしい。実は、読みたくなって買ったわけではなく、この文庫を読んだという若い友人に是非読んでくださいと懇願されたのだ。
帰宅後、高島俊男「お言葉ですが… 別巻1」を数編読む。「むかしの日本のいくさ馬」によれば、源平や戦国時代の騎馬武者たちの乗っていた馬は、せいぜいが今のポニー程度の大きさであるらしい。なにやら頭の中の合戦絵巻のイメージがガラガラと崩れて行く面白さを感じる。