コイン握って文庫を買って。


 初夏を思わせる朝。


 昨日iPodに落としたアン・サリー+PanCake「はらいそ」と中山うり「ドレミファ」を聴きながらバスに揺られて通勤する。


 突然、忘れていた500円を返される。そう言えば連休前に貸したことを思い出す。サイフも持たない状況で渡されたため、そのままズボンのポケットに入れる。


 夜8時半過ぎに退勤。同僚と地下鉄改札前でしばらく立ち話をした後、いつもの本屋に寄る。


 ズボンの中の500円硬貨1枚を思い出し、今日は500円で買える本を1冊選ぼうと決める。この金額となると文庫ということになろうと文庫棚の前でしばし頭を悩ませる。
 講談社文庫の前で、村上春樹風の歌を聴け」や「1973年のピンボール」なら買える、堀江敏幸「熊の敷石」もオーケーだなどと考えていると何時間あっても足りないよ。
 結局迷った末、これにする。

京の銭湯 本日あります (らくたび文庫)

京の銭湯 本日あります (らくたび文庫)




 このらくたび文庫は、京都に関わる諸々をそれぞれのテーマ毎に1冊の文庫版にまとめたもの。お気に入りのグレゴリ青山さんの書き下ろし銭湯漫画付きで値段もちょうど500円とくれば、願ったりかなったりである。



 帰宅後、何気なくつけていたTVでは、「世界の車窓から」が流れてくる。今夜は、ブルートレインの夜の映像が流れる。BGMはヘレン・メリル「BYE BYE BLACKBIRD」。いつもながらこの番組の選曲者のセンスには感心する。