北風に人肌以下のぬるさかな。


 朝4時半起き。昨夜は早く寝ようと思いながら日記をつけたりているうちに1時過ぎになってしまい、結局3時間半睡眠となる。


 今日の休日出張の場所は新横浜。朝7時前ともあって街角に人の姿がほどんど見えない。サッカー日本代表戦のときなどは立錐の余地がないほど人で覆い尽くされる日産スタジアムへ向かうスロープは人影ひとつ見えず、冷たい真冬の風に枯葉がカサコソ音を立てながら渦巻くように舞っている。


 今日の仕事場に到着。風を遮る物がないため冷風の影響をモロに受ける。近くに何も店がない場所なので朝買っておいたおにぎりを出してみると、これがみごとに冷たい。自販機のホットドリンクが売切れていないのでよろこんで買ってみたら補充されてばかりらしく人肌以下のぬるさでがっかり。
 食事があたたかいということのありがたさを感じつつ、おにぎりを持つ手の冷たさを避けるように急いで口に入れる。


 午後2時過ぎに仕事終了。とにかくあたたかいものを口に入れたくてしかたない。近くにラーメン博物館があるのだが、休日のこの時間では行列は必至だろうと回避する(行った同僚の話では各店30分待ちだったとのこと)。


 新横浜駅近くのラーメン屋で味噌ラーメンを食べて暖をとる。味よりも熱い汁がうれしい。


 夕方から職場関係の通夜があるため、急いで帰宅して着替えて職場へ。同僚とともにタクシーで葬儀場に行く。


 車を降りた途端に冷たい強風にあおられる。ここはまた一段と寒い。伊丹十三監督「お葬式」に強風が吹き荒れるシーンが出てくるけれどもあれの北風バージョンのよう。焼香待ちの列が長くなかなか建物の中に入れない。冷えきった体で焼香を終え、同僚の車で駅まで送ってもらう。


 駅前のラーメン屋で夕食。今日2杯目のラーメンだ。別段、ラーメン好きのわけではないが手早く体をあたためるとなるとまずラーメンということになる。つけめんではあたたまる気がしない。


 コンビニで『週刊現代』を買ってきて、東川端参丁目さんご推奨の原武史「リレー読書日記」を読む。なるほど、東川端参丁目さんが出てくるではないか。原さんと一緒にあるものを探す小旅行をしている。
 文中に出てくる飯能のうどん屋「こくや」に行ってみたいな。原さんたちが探しにいった看板というのはひと昔前ちょっと都心を離れた場所や地方に行くと見かけたあの縦30センチ横15センチくらいの白地のものと同じものなのだろうか。
 原さんがとりあげている若林幹夫「社会学入門一歩前」(NTT出版)は石原千秋氏も昨年度の収穫としてあげていた本。この若林さんという人は漱石関係の本も出しているので前から気になっている人のひとりだ。


 とにかく朝から晩まで冷え通しだった体から冷えの感覚を抜き取るため少し熱めの湯舟につかる。
 BGMはエディ・ヒギンズ・トリオ。1曲目は大好きな「バークリー・スクエアのナイチンゲール」だ。冬のロンドンにまた行きたくなる。これも体があたたまったせいかな。
 

美しすぎるあなた

美しすぎるあなた