今日の仕事はマイクを握って手元にあるカードに書かれた内容を何枚も何枚も読み上げていくというもの。仕事の場所が乾燥しているため、喉の奥がガサガサいっている感じになったが、どうにかやり遂げる。
夕方、野外で仕事をしている時に、あるプロ野球選手が黙々と自主トレをしている光景に遭遇する。しばらくぼんやり眺めていたがやはりプロの身体というのはちがうものだな。ただ大きいだけではなく、密度を感じさせるのだ。
夜、退勤後本屋へ。
文春文庫の新刊のうちからこれを1冊選ぶ。菊池寛の女性秘書が一人称で語るという小説仕立てのもの。
地元サブカル系古本屋を覗く。100円棚から。
- レイモンド・カーヴァー/村上春樹(訳)「必要になったら電話をかけて」(中央公論新社)
- 石川光陽「昭和の東京 あのころの街と風俗」(朝日文庫)
- エドワード・ファウラー「山谷ブルース」(新潮OH!文庫)
春樹訳カーヴァー本の中でもあまり持っている人がいない1冊なのではないかな。カーヴァーの死後見つかった未発表原稿から訳されたもの。
石川本は文庫写真集。昭和9年の神保町古本屋街の写真も収録。
「山谷ブルース」は先日読んだ坪内祐三「文庫本福袋」でもとりあげられていた。ファウラー氏が日本の私小説研究書として書いた「The Rhetoric of Confession」(The University of California Press,1988)もどこかで全訳を出してくれないかな。数章分の翻訳が以前雑誌に載っただけ。原書を持っているが僕の英語力では何ともならないからね。
夕食をとりに日高屋へ入る。となりに座った若い女性が注文を済ませるなり携帯電話で通話を始めた。その第一声が、「さっきなんでつながらなかったの?」であるのにちょっと驚く。「あ、わたし」といった名乗りの言葉もなく、相手に呼びかけることもなく、いきなり相手の非をなじる言葉で始めるんだな。その後、彼女は、夫か彼氏かと思われる相手に対し一方的に自分が今さっき経験したらしいとりとめのないことを話し続け、思い出したように「あれ調べてくれたんでしょ?」といった詰問口調の要求を繰り返していた。
電話の向こうの人に同情を禁じ得ない。僕だったらこういう女性とはとてもやっていけないと思うよ。