完璧なるコート。


 目が覚めると10時半。今日予定されていた休日出勤がなくなったので、日曜日を味わえるのである。


 午後、家を出て横浜へ向かう。ちょうどスーツの買い換えの時期になっており、廃棄にした冬物の代替え品を入手しなければならないのでそれをしにいくのだ。


 服を買うというのはどうも苦手で疲れるため、今日一挙に済ませてしまうつもりでスーツ・カンパニーに入る。なんとか3つボタン2タッグで2着探し出す。


 後できればロングコートと冬物のスラックス1本を見つけようと思い,高島屋とそごうを覗くが空振り。とくにロングコートに関しては頭の中に完璧にイメージができあがってしまっているため、目の前にある物にどうしても物足りなさを感じてしまうのだろう。


 そごうのロフトで愛用の値札はがしを購入し、同じ階の紀伊国屋書店に寄る。すると紀伊国屋書店で出しているDVDの20%OFFセールの最終日であることを知る。DVDの棚を見ると、古い日本映画が並んでいて、前から一度観てみたいと思っていた清水宏監督の作品(「小原庄助さん」)があったので購入する。

新東宝傑作コレクション 小原庄助さん [DVD]

新東宝傑作コレクション 小原庄助さん [DVD]



 地元に戻り、駅前のマックでチーズグラコロバーガーのセットを食べる。



 バスを途中下車して床屋に寄る。床屋のテレビでは大相撲中継が流れており、アナウンサーが「今年最後の取り組みです」、「今年の相撲は後三番を残すのみとなりました」と繰り返すため、なんだがもう12月の末になってしまったような変な気分になる。


 帰宅して買ってきた「小原庄助さん」を観る。“小原庄助”のあだ名を持つ、旧家の主人(大河内伝次郎)が気前よく施しをし続けたために身上を潰していく姿を淡々とユーモラスに描いている。清水宏=喜劇を撮る監督という単純な認識を持っていたのだが、喜劇という言葉ではおさまらない作品だと思った。主役だけではなく、奥さん(風見章子)も住み込みの婆さん(飯田蝶子)もよかった。


 9時からはビートたけし主演「点と線」の第2夜を観る。忘れていた原作のストーリーを観ながら思い出していくのが結構楽しかった。
 ただ、過去に映画化されている作品を“映像化不可能と言われた”とするのはいかがなものかとは思うが。


【今日の洲之内徹

  • ゆめまぼろしのごとくなり(「人魚を見た人」)

 ほぼ50年振りに母校である東京芸術大学を訪れた洲之内さん。そこで行われた野見山暁治さんの作品展を見に行った話から野見山さんの話題になるのだが、洲之内さんと野見山さんがほとんど話したことがないということを知り、驚く。野見山さんは何度か洲之内さんに関する文章を書いていており、そのため2人は親しい間柄なのかと思っていたからだ。洲之内さんもあまり話したことがない野見山さんが自分について鋭い指摘をしていることに驚いている。