外市の憂さをサノシゲで。


 朝3時半起き。ううむ、眠い。まだ、体は起きても内蔵はまともに動いていないので、ウィダーインゼリーと栄養ドリンクからなる液状朝食をとる。
 いろいろと支度をして休日出張のため、5時前に家を出る。外はまだ暗い。爪の先のような月とそれに寄り添うような小さな星がひとつ。バスもまだ走っていないので歩いて駅へ。

 始発の次の電車で横浜へ出て、そこから同僚たちとバスに乗り込み6時には出発する。


 東名高速を走る頃にはすっかりと明るくなり、もう白いものを頭にいただいた富士山の方へと車は進む。


 思った以上に天気もよく、本日の仕事場となる湖の畔にも陽光が降り注いでいる。


 仕事で連絡が不徹底なところがあり、離れた場所にいるスタッフに渡さなければいけない許可証がこちらに残っていることが判明。事情があって車が使えないため、僕が片道30分以上、往復1時間以上をかけて歩いて届けにいく。山間なので陽射しがあってもどこかひんやりとしていて気持ちがいい。着ていたハーフ丈のヴァンジャケットのベンチコートを手にもって紅葉の始まった山々を眺めながら歩いた。気持ちいい。


 午後3時に仕事が終わる。帰りのバス内で1時間以上寝てしまう。目が覚めるとそこには東名高速19キロの渋滞が待っていた。


 結局7時過ぎに横浜着。同僚たちと別れて、駅に向かおうとした時、この近くで古書市がやっていたことをポスターを見て思い出す。外市にいけない憂さをこちらで少しでも晴らそうと参戦。

 ともに佐野繁次郎装幀本。ある店の棚に源氏鶏太本がひら積みされていた。源氏鶏太本といえば佐野繁次郎装幀。何冊かあったサノシゲ本から1冊選ぶ。源氏鶏太本というと小説ばかりという印象をもっているため、随想本に手が伸びたのだ。


 帰宅後、明日の仕事の準備をしてから入浴。疲れた足をほぐしてやる。

 明日は昼前に自分の仕事が終わるため、有休をとって神保町の書肆アクセスや池袋の古書往来座へ行ってみるつもり。

 天候にも恵まれ、外市はずいぶんと盛況だったことがブログ散歩で聞こえてくる。さて、伴健人商店の本は売れたのだろうか。文庫本3冊が売れたらしいことを複数のブログから知る。


【今日の洲之内徹

 「四谷怪談」を夏に読んだ話。洲之内さんがいろいろと調べたり、歩いたりして文章を書いていることがよくわかる一編。