『ちくま』に身を隠す。


  ちょっと嫌なことから現実逃避するために、職場のある場所でそこに置いてある『ちくま』11月号を読む。岡崎武志さんの女性古書店主シリーズの最終回。女性店主の方の俳句を要所のちりばめる構成がいいですね。


 ある場所から自分の机に戻ると、嫌なことは過ぎ去っていたが、嫌な気分がなくなったわけではない。逃げても解決はしないということか。


 今夜は外市用の本を送らなければならないため、夕方からの野外仕事を済ませてすぐ帰ろうとしていると、そこへトラブル発生。自転車に跨がって現場へ駆けつけるも、なにができるわけでもなく、すごすごと戻ってくる。
 トラブルの沈静化のためあちこちへ電話。とりあえず応急処置をして退勤。


 コンビニで昨日に続き段ボールの無心をする。オカマ言葉の店長が快く大きめの段ボールをわけてくれた。


 家に持ち帰り、昨日値札をセッティングした本を段ボールに詰めていく。大小2つの箱に100冊の本はすんなりとおさまった。


 一度に2箱を運ぶのは無理なため家とコンビニを二度往復する。2箱揃ったところでゆうパックの手続きを。店長がレジへ。前回店員さんがレジの時は2個をまとめて集金してくれたのに、店長は一箱ずつ清算させる上に、“同一宛先割引”の存在を無視してレジを先に進めてしまう。さっき段ボールをもらったばかりなので、文句も言いづらいのだ。


 何とか無事外市用100冊を送り終える。ホッとした。金曜日(11月2日)に往来座へ着く予定。


 【今日の洲之内徹

  • ひたひたの水(「人魚を見た人」)

 いきなり絵とは関係のない川と外輪船に関する読者の手紙を紹介し、そこからの連想で深夜のコンビニでコーヒーを飲む自分の姿を描いていく。最後に来てやっと画家の井上員男の画業に触れ、彼とともに利根川を車でさかのぼった旅を回想する。ほとんど美術エッセイとは呼べない内容ながら、この寄り道ばかりの文章に洲之内さんの魅力があふれている。