いつもとちがうバス。


 今朝はゆっくり起きる。いつもは始業時間の40分前には職場へ行っているのだが、今日は時間ギリギリにつけばいいくらいのつもり。


 乗り込んだバスもいつもと違い混んでいる。乗り込んでくる女性(学生も含む)の香水がキツイ。いつものバスでは隣りに女性が座ってもこんなに強い香りが鼻を突くことはないのだが。通勤の時間帯で女性のキャラクターも異なるのだろうか。


 比較的ゆったり目の朝を職場で迎える。いろいろと打ち合わせを済ませた上で年に一度の営業へ。行き先は去年と同じ横浜線沿線の場所。電車の中で営業用のマニュアルに目を通す。


 駅から離れた不便な場所にある目的地に着き、先日アポイントメントを取った相手を訪ね、何とか無事に営業を済ませる。


 建物を出るたところにあるバス停の時刻表を見ると横浜駅行きのバスがあと3分で来るらしい。そのバスに乗って行きとは反対方向から帰ることにする。


 横浜駅でバスをおり、西口の有隣堂に寄る。

 休刊が決まった前者には“本で歩く「京都」ガイド”という特集が。来週京都出張なのだ。
 後者には岡崎武志さんの「神保町JAZZ喫茶物語」が載っている。


 このところ仕事でストレスのたまることが多いので、途中下車して憂さ晴らしにブックオフへ。

 最後の1冊を除き、105円。深代本は坪内祐三「考える人」の影響まだ冷めずというところ。あかぎ本は子どもの本を紹介したもの。掲載されている書影が色とりどりで美しい。北村本は文庫で持っているのだが、単行本はやはりおーなりさんの絵が映える。こちらも色がきれい。
 最後の「輝ける文士たち」は今年の初めに出たときに欲しいと思いながら、6000円という値段に二の足を踏んでいたのだが、それが3分の1の2000円で並んでいた。新刊同様の美本なのでこれはお買い得だとかごに入れる。値札のシールの最後の0が少し薄いため、レジのお兄ちゃんは僕が200円だと思って持ってきたと判断したらしく、「こちらは2000円なんですが、大丈夫ですか?」と確認してくる。まあ、105円の中に1冊だけ20倍の値段の本が入っていればそう聞きたくもなるか。


 帰宅して『ダカーポ』の“本で歩く「京都」ガイド”をチェックすると書いているのは大森望さんだ。時節柄森見登美彦作品が多くとりあげられている。また、ブックガイドコーナーの1ページを使って“本の町・神保町の名物書店が、この11月で閉店へ”として書肆アクセス閉店と「『書肆アクセスの本』をつくる会」のことに触れていた。
 続いて『神田神保町古書店街2008』に目を通す。岡崎さんのジャズ喫茶に関する文章では、あの有名だったジャズ喫茶「響」と、そのマスターであった大木氏が鵠沼の自宅でやっている「響庵」、そして「響」の常連だった男性が同じ神保町で始めたジャズの流れる喫茶店「喫茶去」を紹介している。「喫茶去」には今度神保町に行ったときにでも寄ってみようかな。
 この毎日ムックにはその他にも柴崎友香さんの神保町散歩とか、樽見博さんの「神保町の一日」とか、伴田良輔さんの仕事場だとかの目をひくページがあるのだが、それ以外の古書店紹介のレイアウトは例年と同じであまりぱっとしない印象。この感じでは最近増加中の古本女子の方々にはあまり買ってもらえないような気がする。


 夕食をとりながら、サッカー日本代表VSエジプト代表をテレビで観る。大久保が点とれてよかったな。ずいぶん長いこと代表で点がとれず批判されていたからね。


 舌なめずりするように「輝ける文士たち」の大判の重い本を膝の上にのせながら眺める。盥で行水する木山捷平の姿にほのぼのする。白のブリーフ姿で肉体改造をしている三島由紀夫の姿はまるで小島よしおのように恥ずかしい。表紙の集合写真の遠藤周作はどうみても若き日の竹中直人である。日本近代文学好きにはとても楽しい写真集だ。買ってよかった。

輝ける文士たち―文藝春秋写真館

輝ける文士たち―文藝春秋写真館