秋の蝉。


 夕方野外仕事をしていると立っている僕の正面から西日がビターンと照ってくる。
 秋の日はつるべ落とし。あっという間にあたりに闇がおりてくると、どこかで時期を逸した蝉が淡々と鳴いていた。



 仕事を終えて本屋へ。

 レジ横で「平凡社ライブラリー解説目録2007」を貰う。


 駅近くの杵屋でナス天生醤油うどんを頼む。『本の雑誌』から「坪内祐三の読書日記」に目を通す。読み終わったところでうどんが来る。大好きなナスを揚げたてで食べる満足感。


 バス停で1本バスを先送りして「古本屋セドロー君の午後」を読んだ。開口一番、向井さんは北九州市のPR誌『雲のうえ』に使われている写真の素晴らしさに触れている。そうそう、そうなんだよ。あちこちのページで出会う立花文穂さんの写真がとってもいいんだよな。この何かにピントが合い、それ以外のものがぼやけるフォーカスの加減が絶妙なのだ。27ページの運動会で大玉を運ぶ4人の小学生の写真なんて何度観ても飽きない。


 帰宅して『週刊文春』から坪内祐三文庫本を狙え!」をチェック。「吉本隆明『食』を語る」(朝日文庫)をとりあげながら、全体の5分の2の分量を使って江藤淳「文学と私・戦後と私」(新潮文庫)の復刊をとりあげ、《やはり素晴らしいエッセイ集だ》と絶賛している。現在僕の携帯本なので、ますます読むモチベーションが高まってくる。


 ポストに届いていた『出版ダイジェスト 白水社の本棚」を手に取る。1面のコラム「愛書狂」で大阪ミナミ千日前の波屋書房をとりあげていた。(紐)という署名だがこれは永江朗さんだったか。


 筑摩書房のHPでちくま学芸文庫の復刊リクエストをしようとあれこれ希望する書名をチェックしたのだが、いつの間にかそのチェックが消えてしまっていた。今日のところは面倒くさくなったのでやめる。