5時半に起きると、外を風が舞っている音が聞こえてくる。
支度をして部屋を出ると昨夜の強風で周囲の木々の小枝や葉があちらこちらに落ちている。家の前の路地を抜けてアスファルト道に出ると、道の上が落ちた緑の葉で埋め尽くされていた。「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」ならぬ「オン・グリーン・リーフ・ストリート」だなと思う。
駅でバスを下りて職場への坂道を下っていくと、強い雨風が襲ってくる。二度傘をおちょこにしながら、ズボンとシャツを湿らせて職場へ到着。
昼過ぎまで職場で働き、午後から出張。
電車で仕事現場へ。車中は江戸家猫八「おかあちゃんは二人いらない」(ちくま文庫)を読み継ぐ。
台風一過で蒸し暑かった風も夕闇がおりると涼しい風となった。
仕事を終えて現場近くのブックオフに寄る。先日来たばかりなのでサッと流す。105円棚から。
- 江藤淳「妻と私・幼年時代」(文春文庫)
- 都筑道夫「名探偵もどき」(文春文庫)
- 矢野誠一「文人たちの寄席」(文春文庫)
- 矢野誠一「藝人という生き方 渥美清のことなど」(文春文庫)
- 中村伸郎「おれのことなら放つといて」(ハヤカワ文庫)
江藤本は「yomunelの日記」でyomunelさんが《巻末の武藤康史による詳しい年譜がおもしろくて、この年譜だけで買ってよかったと思う》とあったので。それにしても上林暁「禁酒宣言」(ちくま文庫)を105円で手に入れるとはyomunelさんお見事。坪内祐三編・解説のこの絶版文庫を探している人は多いと思いますよ。
ちなみに「文人たちの寄席」の解説も坪内さん。
猫八本は読了したので、帰りの電車では「妻と私・幼年時代」所収武藤康史編『江藤淳年譜』を読む。江藤氏の「自筆年譜」やさまざまな文章を巧みに引用しながら読ませる年譜を作り上げている。「昭和の文人」における堀辰雄批判が二十代前半の闘病時代に芽生えたものであったことを知る。
リヒテルのシューベルトピアノソナタ第21番「遺作」を聴く。朝晩bukubooksの一員として、朝さんとbuku(北條)さんが話題にしているリヒテルのシューベルトを聴いておきたかったから。