千の汗がふきたくて。


 朝5時半に起きてテレビをつけるとサッカー日本代表オーストリア代表戦をやっている。すでに後半も終わり0対0でPK戦に突入していた。結果は中澤の蹴ったボールがバーに跳ね返されて敗戦。


 今日の仕事は舞台上から1000人の人たちに向けてあれこれと紹介するというもの。平静を装いながらもジャケットの下には滝のような汗が流れる。しかしハンドタオルを忘れてしまい、汗をふきとることができない。1000人の目が僕に汗をかかせるのだ。
 

 汗をかいたシャツを脱ぎ、ポロシャツに着替え夕方から出張野外仕事へ。昼間の暑熱が姿を隠し、吹き来る風が汗に火照った体をしずめてくれる。


 夜9時過ぎに仕事終了。
 帰りは携帯本の江藤淳「文学と私・戦後と私」を車中の友として。「ケンブリッジ大学訪問」を読みながら、自分の記憶にあるかの地を思い浮かべる。夏の夜に各カレッジでシェイクスピアの芝居を見せるフェスティバルが行われており、折角だからと一番分かりやすそうな「ロミオとジュリエット」を選んで出かけた。カレッジの芝生の上に椅子を並べただけの劇場で、舞台装置もお粗末なものなのだが、そこは本場だけあって俳優たちの質はとても高かった。市川染五郎(現)似の俳優がロミオを熱演していた記憶あり。ケンブリッジの8月の夜は涼しいを通り越して寒かったなあ。


 明日は、休み。本を読むために出かけることにしよう。