昼の紅茶。


 朝、バスの中でくるり「言葉はさんかく、こころは四角」を聴く。初めてじっくり歌詞を聴いたが、この歌に出てくる“きみ”というのは彼女ともとれるが、自分の小さな娘ともとれるどことなく不思議な詞。


 台風の影響で落ち着かない天気だ。仕事も早めに終わる。


 退勤後、本屋へ。

 実は1週間ほど前この本を買おうとレジに並ぼうとしたのだが、その列があまりに長過ぎて嫌になってもとの台に戻した1冊。今日やっとレジを通る。

文学と私・戦後と私 (新潮文庫)

文学と私・戦後と私 (新潮文庫)


 江藤本を持って大戸屋へ。
 注文を済ませてから、あとがきと福田和也氏による解説を読む。


 帰りのバスもくるりを繰り返しくるくると聴く。


 帰宅後、江藤本から「夜の紅茶」を。江藤さんはロンドンから友人が持って来てくれたジャクソンを香港のペニンシュラ・ホテルで買った銀のティー・ポットでいれている。
 僕は昼に英国土産に貰ったウイッタードをコーヒーメーカを使っていれた。こんな風に職場で毎日紅茶をいれる様になってから10年近く経つ。ロンドン旅行から帰って来た上司から土産としてウイッタードのリーフを貰ったものの、ティー・ポットもなく、困っている時に目に入ったのがコーヒーメーカーだった。耐熱ガラスのサーバーに茶葉を入れ、お湯を注ぐ。陶器ではないのでこのままではすぐに冷めてしまうため、コーヒーメーカーの保温用のプレートの上に置いてみると下からの熱に葉っぱがホッピングをしている。飲んでみると美味しい上に、口の広いサーバーは洗うのも楽だと気づく。それ以来、飽きずに今日まで紅茶をいれつづけている。美味しいと言ってくれる同僚や僕のお茶を愉しみにしていてくれた友人たちの存在が僕のモチベーションを持続させてくれたのだ。


 続いて「ロンドンの魅力」を読む。文中に出てくる公園の名前やデパートなどそのほとんどが自分の歩いた場所であるため鮮やかに頭の中に映像が浮かび上がる。江藤氏と同じように8月の陽光降り注ぐ日に倫敦塔を訪れ、100年前の漱石の姿に思いを馳せたりしたこともあった。


 ロンドンへの思いが高まったところでDVDを引っ張り出して「ノッティンヒルの恋人」を観る。この映画をロードショーで観てすぐに気に入り、DVDが出るのを待って購入し、これまでも何度も鑑賞している。一応ハリウッド映画であるが、脚本・製作総指揮がリチャード・カーティスで、脇役陣が味のある英国俳優たちで固められているこの作品は英国映画好きの僕にとってまさにツボと言っていいものなのだ。
 会話やジョークがどことなく英国風で、いい意味でちょっとしょぼくて、そのうえロンドンの町並みや公園がたっぷり出てくるのだから楽しくて仕様がない。クライマックスでサボイホテルに向かおうとする車中、ルートにあれこれ口出す仲間に思わず友人マックスの発する「ジェームズ・ボンドは道順で迷わない」というセリフが泣かせる。


 昨日買って来たヴォーカルアルバムのもう1枚を聴く。

ハーフ・ザ・パーフェクト~幸せになる12の方法(初回プレス盤)

ハーフ・ザ・パーフェクト~幸せになる12の方法(初回プレス盤)

 このマデリン・ペルーという人のビリー・ホリディばりのハスキーボイスが結構好きなのだが、声が先行し過ぎてどの歌も同じようにしか聴こえないのが難点か。