映画で旅したい。


 今日は仕事が休み。今度の日曜は出勤となるため貴重な休日だ。


 8月上旬から中旬にかけて出張が続くため、その前に済ましておかなければならない仕事があり、今日は一日家でその仕事を進めるつもりなのだが、久し振りの休日で心も体ものんびりモード。


 午前中は仕事をせずパソコンに向かってぼんやり過ごす。


 昼過ぎに昼食と買物をしに街へ下りていく。


 まずは郵便局で目録注文品の代金を古書現世へ振り込んでから、ドラッグストアで買物を済ませる。


 本屋に寄るが、文庫特集をしているという『ゲーテ』は見当たらず、時代小説特集をしている『TITLe』を見つけるが、“ビジネスに効く”という括りに食指が動かず。


 そば屋でカツ丼とざるそばのセットで昼食。品物が出てくるまで携帯本として持ってきた読みさしの樽見博「三度のメシより古本!」(平凡社新書)を読む。


 食後、TSUTAYAへ。「ゲド戦記」を借りる。

ゲド戦記 [DVD]

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 コンビニで『週刊文春』とガリガリ君コーラ味などを買って帰宅。


 ガリガリ君をかじりながら「ゲド戦記」を観る。まあ、監督は違えどスタジオジブリ作品なので仕方がないのだが、この竜は「千と千尋」から、この馬は「もののけ姫」からの引用だなといったことが目について集中できない。原作をまったく読んだことがないため作品の背景となっている世界像がよくわからないことも集中を妨げている。少なくとも映画の中では充分に説明されているとは思われなかった。背景となる世界は複雑で広いものであるらしいのに、主人公アレンとハイタカはほぼ同じ場所に居続け、敵役のクモの部下は3、4人程度しかおらず、善と悪の対決もクモの館の中だけという狭い空間と少ない人数の間でのもめ事に終始し、背景にあるはずの広く複雑な世界像をあまり感じ取ることができないのだ。
 これまでの宮崎駿作品ほどの空間的な広がりは感じられないものの、映像としての美しさは相変わらず。
 ラストのクモの変容は宮崎駿カラーからの脱却を狙ったものかも知れないが成功しているようには思えなかった。
 もともと映画の中でひとつの完結した世界を描き出してくれるものが好きなタイプなので、このように世界を描き切ろうとしていない作品はあまりピンとこないのだろうと思う。もちろん、ジブリ作品なのでそれなりの作品であるとは思うのだが、これまでの宮崎駿作品のようにどこかへ旅をさせてくれなかったなあというのが素直な印象。


 観終わって夕食の前後に机に向かうのだが、仕事に集中できず。仕事の本を多少読んだだけ。結局最後まで休日ぼんやりモードから抜け出せなかった。