恐るべし月山。


 休日出張あけの月曜日はやはりどこか頭も体もぼんやりしている。


 同僚の女の子が棚に置いてあるガラスの置物を見て、「これってナメクジに見えるんですよね」と言う。それを聞いて10年ほど前仕事で行った山形の月山で、朝散歩をしていた時に出会ったナメクジを思い出した。朝露に濡れるアスファルト道路をゆっくりと横切ろうとしているその物体はゆうにサツマイモくらいの大きさがあった。「放射能でも浴びたのか」と思うくらいの巨大さにしばし茫然として眺めるしかなかった。やっとそこを通り過ぎたのだが、なんだか見てはいけないものを見てしまった気がして、振り向くことができなくなった。
 こんな想像を超えた生き物がいるなんて恐るべし月山。以来あの山には足を踏み入れていない。


 ふと、ナメクジではなく巨大カタツムリが登場するパトリシア・ハイスミスの短篇集「11の物語」(ハヤカワ文庫)を思い浮かべた。


 9時近くに退勤して本屋へ。
 『coyote』最新号のインド特集などをチェックして、何も買わずに出る。


 帰宅し、録画しておいた「みんなのうた」を再生。作曲・編曲・歌アン・サリー「のびろのびろだいすきな木」を聴く。シンプルでおおらかな歌。

《のびろのびろ だいすきな木

 みんなみんながすきだから

 ひとりひとりそらにむかって

 いきをしているよ》

(作詞 加藤勇喜)


 歌の最後でアニメーションの主人公である花がこぼした種から新しい芽が出る映像が登場するのだが、これは出産を控えたアン嬢への言祝ぎでもあるのだろうか。


今日のBGMはこれ。マイルスのシャツがボタンダウンではなくなっている。