外雨、内来る?


 朝、目覚めると窓の外から雨音が聞こえてくる。やはり、雨か。



 気を取り直して10時前に往来座へ到着。すでに瀬戸さん、向井さんを中心に外市二日目の準備が行われていた。雨対策として「外鮮門」という名の雨よけの屋根が取り付けられている。このアイデアと行動力にただただ感心する。瀬戸さん、すごいや。


 雨は人の心を知らず、どんどんと勢いを増すばかり。それでも外市開始の11時前からお客さんの姿がちらほらと本棚の前に現れる。伴健人商店の箱は店内に置いてもらうことに。レジに入ると、目の前で自分の箱の本が買われていくのを目撃する。その光景に対し素直にうれしいな、ありがたいなと思う。


 レジ当番を終えて、NEGIさんとカレーの「夢眠」で昼食。さっぱりした辛さで女性にも好まれる味だと感じた。


 往来座へ戻ると、3時から始まる河内紀さんのトークショーの準備の仕事が待っていた。向井さん、NEGIさんとともに荷物を持って会場へ。この会場がまた渋いところで、小さな舞台と座布団を敷いて座る畳の座敷からなっていて、そのしなびた感じがなんともいえない風合いを感じさせる。ここで寄席を開いたらいいねとみなで話した。


 『彷書月刊』の特集とのタイアップ企画なので、田村編集長に石神井書林の内堀さん、月の輪書林の高橋さんの姿も見えた。前半は河内さんが演出をした「たぐちさんの一日」というノンフィクションテレビ番組を観る。この田口さんという人は、早稲田大学図書館の司書を勤めた方で、今(撮影時での現在、10年ほど前)は、奥様が入院されているため広い西片町のお屋敷で一人暮らし。この田口さんの一日を起床から就寝まで映像によって再構成している。なによりも田口さんというおじいさんの風貌、物腰がなんとも言えずいい。とりあえず、今日一日を生きるというシンプルなことの大切さと難しさを感じさせてくれる一時間だった。
 上映が終わり、リコシェの阿部さんと『彷書月刊』の女性編集者のお二人が河内さんとお話をするというトークショーが始まる。田口さんと河内さんの共通の関心事項である演歌(明治期からある自由民権運動と結びついた方のヤツ)の話を熱を込めて河内さんが話されているのが印象的であった。


 トークショーを終えて、往来座へ戻るとすでに外市の片づけが残留組の向井さんや瀬戸さんによって行われていた。伴健人商店の本は思った以上に減っていたが、それでも段ボール1箱にちょっと入りきれない程度に売れ残っていた。今日の天気がよければもう少し売れたかもしれないとは思うが、それをいっても仕方がない。今回持ってきた115冊はすでに自分の部屋からはなくなったものと考えているので、瀬戸さんにお願いして往来座で買取をしてもらうことにする。外市での完売は果たせなかったが、結果的にはすべて売り切ったことになったのでありがたい。僕の本が今後往来座の売り上げに少しでも寄与してくれることを祈る。


 7時半から池袋駅前の北海道で打ち上げ。お客さんとして来てくれた塩山芳明さんも参加する。すこし遅れて片づけをしていた向井さんや仕事帰りの北條さんも合流。向井さんからこの外市二日間での各人の売り上げ発表と売上金の分配が行われる。今回初参戦の伴健人商店は55冊ほどを売り、22,900円の売り上げとなった。持って行った本の約半数が売れたことになる。朝晩bukubooksのAさんも北條さんも売り上げ好調であった。今回の売り上げ1位は前回に続いて古書現世の向井さん。さすがプロ、違いますね。北條さんと旅猫さんに呼ばれて席を移ると、今回の朝晩bukubooks三人の売り上げを合計すると、向井さんにはあと一歩及ばないものの、充分対抗できる売上高があるという話になる。よし、次回は朝晩bukubooksの三人で向井さんを抜いて1位の座を目指そうという話になる。これでユニットの目標も決まった。
 次回の外市は7月7日・8日の土日となる。それまでにしっかりと準備して目標に向けてがんばりますか。


 11時半ごろ帰宅。それにしてもこの二日間外市を体験して、古本屋さんたちの仕事の大変さと往来座という場のすばらしさと往来座のスタッフのみなさんのチームワークの見事さに感心することしきりであった。そして、一緒に外市に参加した方々も皆いい方たちばかりでとても楽しく充実した二日間を過ごすことができました。ありがとうございました。
 また、外市を盛り上げてくれたお客様方に感謝いたします。自分が選んだ本を買ってもらえるということは本当にうれしいことです。


 さあ、明日から仕事だ。