ベンチアイスの三人男。


 昼過ぎまで仕事をしてから、池袋へ。


 明日の外市用にエプロンを調達しようと東急ハンズへ行く。GWの池袋は人でごった返している。こちらがイメージしているようなエプロンはなし。


 駅前方面に戻って、地下にある「豚××」という居酒屋兼定食屋に入って豚ロース焼き定食で遅めの昼食。新しい店らしく店内は広々としていて一人がけのテーブル席も椅子もゆったりしていていいのだが、肝心のロース肉がかたい。店名に豚を名乗っているのにこれはどうだろう。また、定食にはすべてコーヒーがついてるとうたってあったので、食後に「天文台日記」を読みながら待っていてもいっかな持ってくる気配がない。店員のお姉さんに聞いてみると「セルフサービスです」と言われる。だったら最初からそう言ってよ。近くに座っていたおじさんも同じ質問をしていた。


 西武内の無印を覗いてみると、紺無地の大きめのエプロンが他のものより半額以下で置いてあったのでこれに決める。


 無印を出てジュンク堂へ。3階のエスカレーター脇のサイン本のコーナーを覗くと小林信彦「うらなり」が1冊だけ置かれていた。小林氏のサイン本なんて珍しい。「うらなり」は掲載誌の『文學界』で読んだだけで本は買っていなかったのでちょうどいいとこれを購入する。


 ジュンク堂を後に古書往来座へ。今日ここで明日の外市へ出す本の準備をしている北條さんとAさんと待ち合わせをしているのだ。すでにお二人とも店内で準備作業に入っていた。瀬戸さんに挨拶する。僕の送った荷物は無事届いているとの事。外の棚の前のベンチに作業場を作ってもらい僕も値札を差し込む作業開始。100冊以上あるので思ったより時間がかかる。通りかかったお婆さんに店員さんと間違えられ「『源氏物語』はないか」とたずねられる。「僕は店のものではないので」と答えたのだが、店の前で本に値札をつけている人間がそう言っても信憑性はまったくなし。困惑するお婆さんを店員さんがうまくフォローして店内に案内してくれる。さすが往来座、店員さんのフットワークがすばらしい。


 作業を終えて、北條さんが買ってきてくれたアイスクリームを先ほどのベンチに腰掛け待ち合わせの三人で食べる。ベンチは開け放たれた店内に通じる従業員出入口に向いているため、その前を通るお客さんが驚いた顔でアイスを食べる三人男に視線を走らせていた。


 その後、往来座に別れを告げて北條さん、Aさんとジュンク堂近くのベジタブルレストランで準備の打ち上げ。偶然入ったこの地下にある店が、予想以上に奥行きが深く、雰囲気もあっていい店だった。今日集まったこの三人は前回の外市の打ち上げの時に「“わめぞ”に対抗して三人でユニットを組もう」と約束したメンバーなのだが、今回それぞれ忙しくてユニットとしての企画ができず、個人での参戦となった。旬の野菜を中心にした料理をいただきながら、あれこれもろもろのことを話す。3時間ほど楽しい時間を過ごしたのだが、考えてみればユニット企画については何も話さなかったな。それでも今後外市に積極的に参加していく方向で結論をみた(北條さん、Aさんそういうことでよろしいですよね)。



 池袋からの帰路、電車の中で石田五郎「天文台日記」(中公文庫)読了。文学的感性を持った理系科学者による天文台入門のカタチをした人間スケッチ。文系理系問わずオススメの1冊だ。ジュンク堂に1冊並んでいたのを確認済み。入手希望の方はチェックしてみてください。