それでよしとする。


 職場の会議で司会をしていて参加者の沈黙に耐えられず、思わずいらぬ口を挿んでしまう。それを指摘されたため、「しゃべっていないと呼吸できないタイプなので」と言い訳したら、一番近くに座っていた後輩の女の子が笑ってくれた。まあ、それでよしとする。


 その女の子と話していて、彼女がコメットさんを知らないという話題になる。2代目大場久美子さえ知らないのだ。まあ、僕にとってのコメットさんはやっぱり初代九重コメットさんだな。お手伝いさんのいる家があるということをあの番組で知ったのだ。


 退勤して、駅前まで来ると後ろから来た上司に呼び止められる。この人は前に僕が務めていた職場から最近転勤して来たのだ。顔なじみということもあり、食事に誘われる。どうもこのところ上役の人に捕まりやすい星回りのようだ。近くの料理屋へ。2時間ほど今の職場について質問されたり、批判をされたりする。こういう話は苦手。


 11時過ぎに解放され、帰宅。
 コンビニで買って来た『週刊文春』に目を通す。「私の読書日記」のコーナーで池澤夏樹さんが、南仏で笠井潔「サマー・アポカリプス」(創元推理文庫)を読んでいる。この矢吹駆シリーズの長編推理小説は南仏を舞台にしているのだ。「サマー・アポカリプス」を高校生の時に貪るように読んだことが昨日のように思い出される。「思想」のカッコよさをニューアカブームに先駆けて教えてくれた名作。再読したい。


サマー・アポカリプス (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

サマー・アポカリプス (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)