はしご医者。

 昨日から歯痛が続いているため朝のうちに行きつけの歯医者に電話し、午後4時から診察してもらう予約を入れる。


 仕事を終えて歯医者に行くと、息子の先生が診療してくれる。これまではお父さんの方だったので初めてだ。高校生時代を知っている彼がもう一人前の歯科医になったかと思うと感慨深い。炎症をおこしている歯が痛まないように噛み合わせを直してもらい、痛み止めと抗生物質を処方される。


 駅前まで出てアレルギー科の医院に行く。花粉症の薬が切れてしまったのだ。だいぶ症状も改善されてきたので出される薬が少し減った。


 処方箋を持って先日転んだ薬局へ行く。ここはいつも混んでいて待たされる。ソファーに腰掛けて吉田豪「男気万字固め」(幻冬舎文庫)を読む。ガッツ石松の途中から読み始め、張本勳を読み、小林亜星の途中で名前を呼ばれる。ガッツ石松のボケが計算である(?)こと、張本勳と力道山の交友などが印象に残る。亜星篇は先日「大竹まこと 明日にかけるハナシ」で聴いた話をより詳しくしたもの。


 帰宅後、村上春樹訳「ロング・グッドバイ」を読み始めたのだが、ふと思いついて映画「いつか晴れた日に」(監督アン・リー)を観ることにする。これはジェイン・オースティン「分別と多感」を主演のエマ・トンプソンが脚色したもの。以前に一度レンタルビデオで観て、気に入って中古DVDを買っておいたのだ。
 上下2冊の長編を2時間余にまとめるわけだから、展開が駈け足だったり、早くから伏線部分を登場人物に説明させてしまったりするのは致し方ない。とにかくこの映画は緑が美しい。アン・リー監督は晴れた青空の下の草原の緑や英国独特の薄曇りの空の下の丘の草々のうっとりするその色合いを画面に定着させている。
 その緑の中を19世紀のコスチュームを着た役者たちが動いている。ヒュー・グラントってほんとにぶきっちょな俳優だなと思う。「フォー・ウエディング」も「ノッティンヒルの恋人」も「アバウト・ア・ボーイ」も「ブリジッド・ジョーンズの日記」も「ウェールズの山」も基本的にはみんな同じだもの。もちろん、謹厳実直な堅物やプレイボーイといった役柄の違いはあるけれど、共通してどこか間の抜けた人物しか演じていない印象なのだ。また、そこがいいですけどね。僕は好きです。
 エマ・トンプソンが19歳には見えないとか、アラン・リュックマンは35歳じゃないだろうと原作を読んだばかりの僕の頭は反応してしまうのだけれど、そんなことは大した問題ではないですね。そう言えば、アランが監督してエマが主演した「ウインターソング」という佳品があったことを思い出しました。これも中古で買ってあるのでそのうち見直そうと思う。
 その他では、原作ではほとんど出てこない3女のマーガレットの使い方に感心した。
 


 どうやら週末は荒れ模様らしい。明日は日産スタジアムにサッカーの日本対ペルー戦を観に行く予定なので、雨は勘弁してほしい。