ゆっくり起きて、まずは風呂。朝食には粥が出た。
出発まで時間があるので、コーヒーを飲みながら備え付けの新聞を見る。毎日新聞の読書欄で丸谷才一氏が『本の雑誌』4月号を取り上げ、亀和田武さんが書いているエピソードを紹介している。“窓際OL”の斎藤由香さんが北杜夫さんの娘さんだということを初めて知った。
宿近くの万葉公園まで歩く。ここにある“独歩の湯”という足湯に行く。日曜とあって10カ所近くある足湯には人が群がっている。まさか国木田独歩も自分の名前が足湯に付けられるとは思っていなかっただろうな。
同僚の車で帰宅。
アン・サリーを流しながら「読書の腕前」の続きを読む。昨年の下鴨神社の古本まつりの話題や昔の新潮文庫の解説者と講談社文庫の解説者の違い、それにポプラ社の“少年探偵団シリーズ”の話などが興味深い。
小学生の時、図書館にあった“少年探偵団シリーズ”にハマり、学校帰りになるべく車の通らない田圃の中の道を選んで読みながら歩いて帰ったことを思い出す。岡崎さんはこの本の中で長田弘「読書のデモクラシー」の言葉を援用しながら《「歩く」ことは「読書」に似ている》と言っているが、まさにこの小学生の一時期だけ「歩く」=「読書」という時間を僕は過ごしていたわけだ。
アン嬢のアルバムを3枚聴いているうちに「読書の腕前」を読了する。アン・サリーと岡崎さんの夢のコラボレーションを堪能した一夜。
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