各駅停車の本の旅。


 今日は朝からずうっと会議。3時近くにやっと昼食にありつく。昨日もらったシナモン・チャイをいれる。職場に独特の香りが漂う。チャイを飲んだ同僚が「ニッキ飴みたいだ」と言っていた。なるほど、スバイシーだ。


 退勤後本屋へ。

やっと見つけた。いそいそとレジへ。
[rakuten:book:12020783:detail]


 帰宅して風呂に入る。風呂場の電気を消して、アロマキャンドルを灯し、アン・サリー「ブラン・ニューオリンズ」を流す。心落ち着かぬ夜にはこんな時間を持ちたくなる。アン嬢が歌う「アフリカの少年」がドア越しに聴こえてくる。黒い大陸の上にかかる月の代わりに、窓辺に置いたアロマキャンドルの火が風呂の湯気にゆらゆらと揺れていた。


 買ってきた「読書の腕前」を読み始める。50ページほど読んだ。岡崎さんは青山南さんのエッセイを引用し、読書の特等席としてバスの運転席後ろにある最前列の一人掛けを挙げている。できれば座席を貰ってきて部屋に置きたいとまで岡崎さんは書いているが、バスで本が読めない人間からするとうらやましい限り。だから僕にとってバスの中はiPodで落語を聴く時間となるのだ。僕にとって読書の特等席は、晴れた日曜の午後に乗った電車の端の小さな横椅子の一番後ろの席。つまり他の箱へ移動する蛇腹の通路のすぐそばの場所。僕がよく利用する東横線の車両はこの席の壁際にちょっとした段がありここに飲み物を置き、背中から暖かな陽射しを浴びながら電車に揺られてのんびり本を読むひと時がとてもうれしい。この時間が好きなので渋谷から電車で帰る時は急行には乗らずに必ず各駅に乗ってゆっくり帰るようにしている。


 「読書の腕前」は面白いのでクイクイ読めるが、こちらものんびり楽しみたいので今日はこれくらいで本を置くことにする。