目黒の閑話。

 職場へ行くと昨日はなかった義理チョコが2つあった。なんだかホッとしている自分に気づく。それでいいのか。


 今日も午後から出張。横浜からバスに乗る。志ん生「寝床」を聴きながらうつらうつらしている間に目的地に到着。いつもは1時間で終わる会議が今日は白熱して2時間になろうとしている。予定をオーバーしてしまっているので切りのいいところで失礼する。


 バス停まで走る。ちょうど来たバスに飛び乗った。今夜は目黒で大学時代の友人のお父さんのお通夜があるのだ。すでに時計は6時を過ぎている。通夜は7時までだからかなり厳しい。道路が渋滞することを考え、途中でバスを捨てて電車に切り替える。車中で千野帽子「文藝ガーリッシュ」(河出書房新社)を読む。携帯本を入れ忘れたので横浜駅でバスに乗る前に本屋で買っておいたのだ。室生犀星「蜜のあはれ」は読んでみたいな。


 東急目黒線に乗り換えて目的地の駅で下車する。既に7時を過ぎている。また走る。なんとか受付撤収前に間に合った。誰もいない斎場で焼香を済ませる。お清めの場所に行くと、大学時代の仲間が4人で飲んでいた。合流して少し飲み食い。その後場所を変えて駅前の居酒屋で5人で飲む。昔の話に花が咲く。いつの間にか結婚式ではなく、葬式で顔を合わせる年になったなと仲間のひとりが感慨深げに呟いた。10時半過ぎまでくだらない話をして盛り上がる。学生時代の友とはこんな話が楽しいのだ。


 帰りも志ん生「二階ぞめき」、「たがや」、「黄金餅」を聴きながら家路を急ぐ。