三鷹で三十日(みそか)。

朝風呂で志ん朝「百川」を聴いてから外出。


早稲田へ。地下鉄の駅を出て立石書店の前を通り(今日はやっていなかった)古書現世に。向井さんが店番をしていた。古本関係のいろいろな情報を教えてもらう。来年の“わめぞ”に期待大だ。2冊購入。

  • 平澤一「書物航游」(中公文庫)
  • 角田房子「甘粕大尉」(ちくま文庫

古書現世の年内の営業は今日まで。同じく「古書現世店番日記」も通常の更新は今日で終わるとのこと。ただ、ブログ自体をやめるのではなく、1週間単位の更新として続いていくとのことなので安心する。


東西線から中央線に乗り継いで三鷹へ。
今日は上々堂岡崎武志さん、加藤千晶さん、久住昌之さんのライブ&トークイベントがあるのだ。その前に腹ごしらえと言うことで前から一度行ってみたかった中華そば江ぐちを探す。あちこち探しまわってやっと見つけるが、すでに年末の休みに入ってしまっているらしい。がっかり。
仕方ないので、近くのフレッシュネスバーガーに入る。この店に入るのは初めて。同僚がほめていたのが頭に残っていた。フレッシュネスバーガーとソイラテのセットを頼む。食事を済ませ、ライブ開始の4時まで間があるので、「ロリータ」を読む。


開演の30分くらい前に行って上々堂の棚でも見ようと店の前に行くが、中ではライブのリハーサルが行われているため、近所を歩いて時間をつぶす。10分前くらいに裏口から店内に。今日のステージが正面入口を背にしたカタチになっているため、こういう入り方になるのだ。入口で紅茶とおかしを貰い、正面右の書棚に挟まれた席に着く。店内が書棚で3列の空間に仕切られているため、観客もそれぞれの列に分けて座ることになる。だから、僕からは中央と左の列のお客さんはまったく見えない。その不思議な光景を加藤千晶さんはとても面白がっていた。まず、加藤さんのライブから始まる。ピアノを弾きながらとても素敵な声で歌う。声質もスタイルも違うのだが、その存在感はふちがみとふなとの渕上さんに通じるものがある。曲を聴いた印象は、矢野顕子さんと渕上さんをミックスしたような感じかな。ライブのゲストとして久住さんが加わり、楽しいミニライブが展開された。ライブが終わると岡崎さんが登場し、加藤さんにインタビューする形式でトークショーが始まる。岡崎さんのうまい合いの手によって加藤さんの独特なキャラクターが滲み出てくる。子供の頃に愛読した本として「正しい名前の付け方」(だったかな)という本を出して来て、そこに書かれている付けてはいけない名前の例(東京都在住の行方不明さんなど)にハマった子供時代を語り、コケシやサボテンの本を愛し、そこに書かれた著者の生真面目な対象への思いに強く反応してしまう自分を語る加藤さんは魅力的だ。思わず上々堂で売っていたCD「おせっかいカレンダー」を買いました。
会場には、海ねこさんご夫婦や岡崎さんの奥さんとお子さんもいらっしゃっていた。それから、NEGIさんと思われる方もお見かけしたのだが、自信がなく声はかけられず。

おせっかいカレンダー

おせっかいカレンダー



三鷹駅近くのとんかつ屋でロースカツ定食を食べて帰宅。
帰りの電車でも「ロリータ」を読み継ぐ。


地元の本屋で。

後者は500円DVD。昨日読んだ『TITLe』の小林信彦セレクトから1枚選ぶ。


帰宅後、テレビで三谷幸喜監督「有頂天ホテル」を観る。予想通りの展開で予想通り楽しませてくれる。言い方を変えれば、役者の使い方や筋の運びに意外性はほとんどない。脚本より役者のキャラクターで成立している印象だ。


『WiLL』から日垣隆向井透史のダブル連載を読む。日垣さんが参加した同業者の勉強会で出し合った“二〇〇六年のお薦め本”の筆頭に佐藤優「獄中記」(岩波書店)が挙っていた。
向井さんの文章は、この連載では珍しいしんみりとした話。何が正しいのか、どうすればよかったのかは誰にも分からない。


明日は実家に帰ります。持って行く本を決めなくては。


今日の4000番台は休み。