一年前の月。


本日は出張仕事。気疲れのする仕事なので朝から心臓と胃が締め付けられるような感じ。


少しでも気分を和らげるためにアン・サリー「ムーン・ダンス」を聴きながらバスと電車を乗り継いで都内某所へ。


予想通り、プレッシャーを感じながらの根詰め仕事に終了時間にはグッタリ疲れて、精神的にボロボロのカサカサ状態となった。


とりあえず、神保町で生きる力を補給しようと書肆アクセスへ。

  • 『モツ煮狂い』第一集
  • 本の雑誌増刊 おすすめ文庫王国2006』

畠中さんと少しおしゃべり。先日の「古本・夜の学校」で話題になっていた北九州市のPR誌『雲のうえ』をいただく。


少しは人間らしくなったところで閉店間際の神保町古書店街を流して歩く。
古書センター前のワゴンから2冊。

  • 森繁久彌「見て来た・こんな・ヨーロッパ」(中公文庫)
  • 吉川英治「忘れ残りの記」(角川文庫)

ともに100円。


日本特価書籍へ。

上の2冊の文庫と桑原本を買って帰ろうとしたら、ちくま文庫の復刊が並んでいるのを見つけそれらも一緒にレジへ持って行く。久し振りの日本特価書籍での大人買いだ。ストレスが溜まると買う本の数も増えていくというとてもわかりやすい性格なのでこういうことになる。


疲労のためすぐに帰るつもりであったのだが、一息入れないと電車に乗れない気分となり、九段下方面の珈琲館に寄る。

何やら甘い物と温かい飲み物を摂取したいため、カフェオレとホットケーキを頼む。ここのカフェオレはフィンガーボールのような器にたっぷりと入ってくる。ただ取手がないので熱いうちは持ちづらい。メープルシロップとマーガリン(これはバターにしてほしい)をまぶしたホットケーキをカフェオレで流し込みながら『おすすめ文庫王国2006』を読む。毎年恒例の坪内祐三さんによる「年刊文庫番 私が今年出会った文庫本あれこれ二〇〇六」は、“あれこれ”というより“私と「戦争と平和」”についてのエッセイですね。ちょっと肩すかし気味。それでも楽しく読めましたが。


帰りの電車は日垣隆「すぐに稼げる文章術」(幻冬舎新書)を友として。1〜3章までの文章の書き方指南はとても具体的でためになる。4章の上級編になると書き方よりも生き方の意味合いを強く感じてしまい、自分にはちょっと真似できないかなとも思う。


読書のBGMはアン・サリー「デイ・ドリーム」。思えば一年前の今日、彼女のコンサートに岡崎武志さんと行ったのだった。もう一年か早いなあ、あの日はいい月夜だったが、今日は曇っていて月は見えない。


帰宅後、日垣本を読み終え、桑原甲子雄「東京下町1930」を観る。父親や母親が生まれた頃の東京の姿を眺める。上野の両大師橋アールデコ風の外灯の姿にしばし見とれてしまう。昭和10年前後はまだ和服を着た人が多くいたし、成人男性の多くは帽子をかぶっている。銀座の教文館ビルの一階と地下にあった「富士アイス」を初めて見る。さすがにモダンな佇まいだ。

東京下町1930

東京下町1930



今日の4000番台。

ブルー・ジョン

ブルー・ジョン

ジョン・パットンのお蔵入りアルバムが4143番。昨日に続きこれも日本人デザイナーかと思えば、レッキとしたリード・マイルスデザインだった。あれ、どうしたのマイルス。二本の楽器を同時に吹くというジョージ・ブレイスの存在がこのアルバムのカラーを決めてしまっている印象を受ける。軽くって明るくって朗らかだ。確かにこの時期のBNでは浮いてしまいそうだな。それでお蔵か。