死語硬直。


本日は午前中休日出勤。
風は強いが心地よい秋晴れが続いている。


昼過ぎに仕事が終わる。
いそいで電車に乗って神保町へ。
今日は東京古書会館で行われる古書の日記念イベント“古本屋になるための1日講座”を聴きにきたのだ。2時の開始までに少し時間があるので、すずらん通りの牛丼屋で牛丼定食を食べる。お金のない学生時代によく利用した店だ。牛丼の中に煮染めた豆腐が入っているのが泣かせる。


開始20分程前に古書会館へ到着するとすでに列ができていた。盛況だな。
受付で資料と飲み物が配られている。一瞬会費制であったことをわすれていたのかと思ったが、無料であった。資料の袋の中には今日の講座資料の他に『古書通信』に掲載された「現代古本屋の研究」の抜き刷り池谷伊佐夫さんによる“神田古本まつりイラストマップ”、そして『彷書月刊』8月号も入っていた。これで無料は申し訳ない感じ。

時間となって司会の石神井書林の内堀さんが本日の講師陣の紹介をしてくれる。うさぎ書林の芳賀さん、オヨヨ書林の山崎さんとその対談相手の南陀楼綾繁さん、そして『古書通信』社の樽見さんだ。
この順番で講演が始まる。芳賀さんの話は、オンライン古本屋として生きていこうとする強い気持ちが伝わってくる話。古書組合に参加することのメリットを古書組合が一番のお客になってくれると説明していた。自前のHPを持つことによって買い入れが可能になるというのはなるほどと思った。アマゾンや日本の古本屋に参加しているだけでは、売る場所はあっても本を売りたい人との繋がりはなかなか生まれないというのはよく分かる。


続いて、南陀楼さんがオヨヨ書林の山崎さんの話を聞くスタイルの講演となる。山崎さんの天才的なキャラクターに会場が何度も笑いに包まれる。その味のある人柄をうまく南陀楼さんが引き出していた。


最後に樽見さんの話。とても実直で古本と古本屋が好きなのだなあということが伝わってくる。


その後、質疑応答があって4時過ぎに終了。


開いている古本屋や新刊書店を覗いて歩く。
文省堂の新店舗で一箱古本市用に1冊仕入れる。
神田伯刺西爾(ぶらじる)でひと休みしてから、欲しい新刊を求めて日本特価書籍へ。
なんとシャッターが閉まっている。が〜ん、ショック。“想定外”という死語硬直が始まった言葉を思い浮かべる。泣きそうな心を引きずりながら、来た道を戻り、東京堂三省堂書泉グランデを回るが、小林信彦「決壊」(講談社文芸文庫)も小山清「小さな町」(みすず書房)はまだ置かれていなかった。


諦めて帰る。車中は川本三郎「銀幕の東京」(中公新書)を読む。


地元の本屋で。

  • 『考える人』2006年秋号

特集は“家族が大事イスラームのふつうの暮らし”。特集よりも荒川洋治さんの小林秀雄賞受賞のインタビューと連載のために購入。気が早いが次号の“小津安二郎を育てたもの”という特集が楽しみだ。


風邪気味で頭が痛い。夕食後、風邪薬を飲んでから、「路上派遊書日記」の続き。2005年5月の日記で「東京スムース友の会」の記事を読み懐かしさを感じる。紙上で再現されている「岡崎武志vs山本善行 古本十番勝負」をたどりながら、あの時のライブ感を再び味わう。


今日の4000番台。

フーティン・ン・トゥーティン

フーティン・ン・トゥーティン

  • アーティスト: フレッド・ジャクソン,ウィリー・ジョーンズ,アール・ヴァン・ダイク,ウィルバート・ホーガン
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2005/06/08
  • メディア: CD
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フレッド・ジャクソン唯一のリーダーアルバムがこの4094番。全7曲をすべて彼が作っているのだが、いずれもどこかで聴いたことのあるような曲ばかり。アドリブの中にも有名な曲のフレーズをやたら引用してみたり。このどこか頼りなげと言おうか、頼り過ぎと言うべきか悩ましい感じを楽しむ。



【購入できる新刊数=4】