「文庫化待ちと積ん読主義」


2週間ぶりに遅番の朝を迎える。ここ2週ほどは仕事が忙しく、返上で朝から出勤していたのだ。
いつもより2時間長く睡眠をとり、目覚める。すこし頭が軽くなった気がする。朝食を食べ、シャワーを浴び、アリナミンEXを飲んで出かける。


職場へ行く前に買物を済ませようと駅ビルに入るとちょうど10時の開店で、通路の左右に並んだ店員さんたちに次々と「いらっしゃませ」&深々お辞儀の攻撃を受け、タジタジとなる。こういう場合どういうリアクションをすればいいのか分からない。


夏の山菜おこわに根菜の煮物とインゲンの胡麻和えを買ってから職場へ。


夜9時まで仕事をして退勤。
本屋へ。

帰りのバス待ちで『WiLL』連載の向井透史「早稲田古本劇場」と日垣隆「どっからでもかかって来い!」を読む。
向井さんがお客さんに聞かれた映画「ブッシュマン」のニカウさんに似た日本人の著者とは誰だろう。それを考えるためにはまずニカウさんの顔を思い出さなければならないよな。
日垣さんの連載では、紀田順一郎さんと内澤旬子さんのトークセッション(於ジュンク堂池袋店)を氏が聴きに行っていたということを知り驚く。紀田さんが挙げる理想の書斎の条件を自分の書斎は《全クリ》(全部クリア)していると自慢するところが日垣さんですね。


帰宅するとポストに封書が2つ。
ひとつは古書現世目録『逍遥』73号、もうひとつは『Monthly Takamitsu』123号だ。
早速2つに目を通す。
『逍遥』から3冊選んで早速メールで注文を入れる。目録に並んだ書名に「ブッシュマン」を見つけて思わずニンマリする。裏表紙の「店番日記」は今号で完結せずに《(つづく)》とある。これが「別れる理由」に比肩するような長大な古本買い取り小説の始まりであったらなあと妄想が広がっていく。
『Monthly Takamitsu』は舞台の報告がビッシリと詰まっている。知っている人名が3割で、知らない人名が7割といった感じ。今号の言葉はエドワード・サイード「OUT OF PLACE」からのもの。それを読みながら思わず、積ん読のままのサイードの自伝を思い出す。同じく未読のままの「オリエンタリズム」は、「文化と帝国主義」はどうするのだと自分を責める過去の自分の存在を感じる。
単行本で買った本が積ん読のうちに文庫になってしまい、結局増補された文庫を新たに買って読むはめになることもしばしばだ。これじゃ「文庫化待ちと積ん読主義」だよ。“ごめんちゃい”とおどけて今日のところはごまかしておこう。


今日の4000番台。

ホリデイ・フォー・スキンズ Vol.1

ホリデイ・フォー・スキンズ Vol.1

4004番は、ドラマーによるドラマーのためのドラムアルバムだ。リーダーのブレイキーの他にフィリー・ジョー・ジョーンズアート・テイラーの名前が並んでいるだけでこの作品は凄いと思う。このセッション時にヴァンゲルダースタジオに爆弾が落ちていたら、ハードバップジャズは随分つまらないものになっていただろうなと思う。
こういうアルバムを出してしまうライオンもすごいや。


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