バスに響く120%

本日予定されていた仕事が突然中止になる。
この日のためにいろいろと準備してきたのに。
緊張感がゆるんだら、疲労感がどっと押し寄せてきてヘロヘロ状態となった。
早めに退勤する。本屋へ。

レイモンド・カーヴァーリリー・フランキー沢木耕太郎の3人の名前が表紙に並んでいるのがなんだか不思議。
沢木耕太郎「通過地点」を読む。猿岩石の旅の意味について正面から真剣に語ってしまうところが沢木さんらしいな。


帰りのバスの中でオバさん3人組が、熱く日本対オーストラリア戦での誤審問題について語っている。とくにその中のひとりがやたらと大きな声で断定的に話しまくっている。「あれがPKだったら試合は分からなかった」、「判定は覆らないが、あの審判はもうW杯では使われない」等。そのうち韓国戦に話は飛び、「安貞桓は清水ではレギュラーで出られなかったのに、試合で活躍したのは国を思う気持ちが違うのだ」、「それに比べ、日本の選手にはその気持ちが薄い」と段々日本選手への批判となり、バス中に響く声で「これで日本の予選突破は120%なくなった。120%!」と断言し、すっきりしたのか、急に話は耳の聴こえないお婆ちゃんの話へと変わっていった。


家に戻り、仮眠をとる。枕元で金原亭馬生明烏」を流しながら。


起きて来週に迫った仕事の準備を始めるが、頭と心がついて行かず、思うようにすすまない。


いけないと思いながらテレビで「剣客商売」を観てしまう。仕事のプレッシャーで荒んだ心が癒されますね。大滝秀治寺島進といった味のある役者さんを観ているだけで楽しい。予想通りの絵に描いたハッピーエンドも微笑ましい。最後の場面での大滝さんの驚いた演技が最高。


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