GWというのかな、一応。

目覚ましなしで起きる。これぞ休日の醍醐味。


風呂につかって落語。七代目橘家圓蔵「あんま小僧」と「浮世風呂」を聴く。ともに肩の力の抜けた小品。ぼんやりと聴いているにはちょうどいい。


『本』(講談社)のバックナンバーから村上春樹坪内祐三両氏のエッセイを拾い読みした後、DVDで「ミリオンダラー・ベイビー」を鑑賞。
先日この映画を観た友人からメールがあり、“思ったより静かな映画で見終わった後ゆっくりした気分になった”と言っていたが、なるほど静かな映画だなと思う。ボクシングを舞台とした作品だから試合のシーンもそれなりにあるのだが、全体としてはとても落ち着いて静かに物語が進行していく。誰かが指摘していた繰り返される足の描写に試合の度に強調されていたセコンドのイーストウッドが素早くリング上に置く小さな木製の椅子の存在。幅広い観客に伝えるためにとても丁寧に作っているのがよく分かる。ご存知モーガン・フリーマンも脇役とはこういうもんだと言わんばかりの助演ぶり。イーストウッド監督も彼にはしっかり見せ場を作ってあげており、そこらへんの気配りも怠りなし。いい仕事してますね。


その後、クリーニング屋とコンビニに行った以外は外出せず、仕事関係の本を1冊読了。続いて高島俊男お言葉ですが……10 ちょっとヘンだぞ四字熟語」(文藝春秋)を読み出す。精興社印刷の字体がうれしい。“四字熟語”が新しい言葉であると同時にいかに曖昧なくくりの言葉であるかについて言及されており、興味深い。とくに三省堂岩波書店の四字熟語辞典に対する批判をふむふむと読む。両方とも編集に個人名が出てこない出版社による編集となっているらしい。辞書を選ぶ時の参考にしようと思う。


気がつけばもうGWも最終日。結局、ほとんど仕事に行きながらも、結構古本屋巡りに出歩いた一週間でもあった。そう考えれば、僕にとっても一応GWであったということか。


今日聴いたアルバム

その名の通り地味なテナー奏者であるジミー・ヒースのワンホーンアルバム。ウィントン・ケリーポール・チェンバースケニー・バレルといった信頼のおけるプレイヤーに囲まれて味わいあるテナーを聴かせてくれるのだが、演奏をリードする主役の存在感というより、いい意味で出しゃばらないバイプレイヤーといった感じ。そう思ってジャケットを見ると、なんだがモーガン・フリーマンにどことなく似ているような。
レコーディングの記載が1964年春とアバウトなところもなんだかのんびりしていて好きだな。思えば僕の生まれた春だ。


本日1冊読了。

【購入できる新刊数=2】