最後の客。

今日は職場で使っているパソコンのデスクトップやマイフォルダの中を整理する。小一時間かけてスッキリした。仕事をしやすい環境を作っただけなのに、なにか仕事をした気になっている。


天気予報を信じて傘を持っていったのだが、昼の雷雨はあっという間に来てあっさりと去って行った。好天の中を退勤。


本屋へ。元木昌彦「週刊誌編集長」(展望社)をチェック。この他、原田治「ぼくの美術帖」(みすず書房)も気になっているのだが、この大好きな“大人の本棚”シリーズも積ん読本が多すぎるので、手が伸びない。6月には野呂邦暢「愛についてのデッサン」も待っている。そこで、“大人の本棚”の新刊は、同シリーズの積ん読本を1冊読んだら買うことができるということにする。同様に、最近やたら充実している河出文庫積ん読率が高くなっているため、同様の措置をとる。「読まないヤツは買うな!」と自分に喝を入れる。入れてはみたものの、できるのだろうか。ほとんど涙目状態だ。


床屋に寄り、散髪。気がつけば最後の客となっていて、店の人がドア部分以外のシャッターを下ろし始める。申し訳ないような、心細いような気持ちでヒゲを剃られる。


帰宅して、携帯本であった河盛好蔵「回想の本棚」読了。この本を古本屋で買ったとき、中に風船の絵をあしらった小さなメモが挟まっていた。そこには《お会いできず残念です。27日まで両親がおりますが、またお電話いたします。××(名前)》と女性の手と思われる文字が書いてある。このメモを貰った男性が栞代わりにつかっていたものなのだろうか。両親が帰った27日以降、2人はどうしたのだろうかなどといらないことを考えながら、僕も栞として使わせてもらった。
これで今月の中公文庫はクリア。次は講談社文芸文庫だ。


その後、「温泉百話 東の旅」(ちくま文庫)から田中康夫「伊豆山 蓬莱旅館」を読む。
ううむ、武藤康史さんはこの作品のどこに《論文が書きたくてうずうずするような真の文学作品》(http://d.hatena.ne.jp/yomunel/20060331)を感じたのだろう。わからん。車好きの生徒ならBMW325iと318iの違いについて800字くらい書けそうだけど。それに小論文の題材に出すとすれば、「アルマンド・トスカーニ」や「クライヴ・シルトン」には注を入れなければ男子生徒は分からないのではないかなどといらぬ心配もしてしまう。


本日の読了本は1冊。そのため買える本が1冊増えた。

【購入できる新刊数=6】