朝、目覚めて寝床の中で読みかけの「変身」を読む。
記憶していたよりもあっさりした印象。グレーゴルが死んでからもう少し長かったと思っていたのだが。最後は春を感じさせる3月のよく晴れた日に残った家族3人が郊外へ出かけるところで終わる。今読むのにちょうどよい本だ。
風呂で落語。先日買ってきた三遊亭圓生「質屋庫」を聴く。矢野誠一・草柳俊一「落語CD&DVD名盤案内」で廃盤になっていると言われているライブ盤がこれだろう。
昼過ぎに出かける。今日は横浜市長選なので投票に行く。投票を済ませてから、投票所方面にあるブックオフに寄る。105円棚から。
- 横尾忠則「東京見おさめレクイエム」(知恵の森文庫)
- 久世光彦「ひと恋しくて 余白の多い住所録」(中公文庫)
- 文藝春秋編「日本映画ベスト150」(文春文庫ビジュアル版)
- 浮谷東次郎「俺様の宝石さ」(ちくま文庫)
- 大月隆寛「無法松の影」(文春文庫)
- E・ブロンテ/鴻巣友季子(訳)「嵐が丘」(新潮文庫)
- 吉村平吉「浅草のみだおれ」(三一書房)
- 「丸谷才一と21人のもうすぐ21世紀ジャーナリズム大合評」(都市出版)
横尾本は人物をとりあげた絵入りエッセイ。
久世本は、探していた「卑弥呼」の代わりに購入。これも人物エッセイなのだが、宇野亜喜良画伯による全員のポートレイト付き。
大月本は名作「無法松の一生」に関する民族学的考察及び斎藤美奈子解説ということで。
吉村平吉という人は浅草の軽演劇に携わった経験のある風俗ライター。パラパラと覗くと、高見順、吉行淳之介、田中小実昌、阿佐田哲也という名前が出てくるので籠に入れる。
「嵐が丘」は人にあげてしまったので補充。
この他に半額棚から未所持の業田良家マンガを。
帰宅後、借りておいた「笑の大学」を観る。戦前の浅草軽演劇を舞台に検閲官と台本作家との駆け引きを中心にした三谷幸喜脚本の舞台劇の映画化というだけで楽しめそうだなと思っていたが、その通り。堅物の検閲官を演じた役所広司がいいですね。ただ、これを映画にする必要があるのかという疑念が湧く。基本的には取調室だけでドラマが進んで行く舞台劇だから映画的な動きを必要としないのだ。舞台では限られた人数しか見られないものを多くの人間に見られるようにしたということかな。
その後、「祝福屋福助」と荒川洋治「ラブシーンの言葉」を読了。
前者のテーゼ《自分で自分をよろこばすことはできない》が染みる。業田マンガの水準は相変わらず高い。
後者は、荒川さんの突っ込み芸を楽しむ。様々な本の“ラブシーン”を引用しながら、一言二言のコメントピンでしっかりと意味付けする技の見事さ。渡辺淳一の小説の次に「三角寛サンカ選集」が出てくるというジャンルを問わないところもいい。ひとり部屋でむふふと読む本。
今日のピアノトリオ。
- アーティスト: ハンプトン・ホーズ,スコット・ラファロ,ポール・チェンバース,フランク・バトラー,ラレンス・マラブル
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2001/06/21
- メディア: CD
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- アーティスト: スティーブ・キューン,スコット・ラファロ,ピート・ラロカ
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ともに録音時には日の目を見なかった作品。
前者はホーズの楽しいピアノプレイが記録されてるが、「ザ・トリオ」シリーズに埋もれてしまったもの。後者はキューンが自身の売り込みの為に吹き込んだデモテープが昨年やっと公になったもの。両方に参加しているベースのスコット・ラファロ(前者には3曲のみ参加)の存在感がいい。