春の日に「北の国から」。

午後から出張。いつものオーバーではなく、スプリングコートにしたのだが、それでも汗ばむくらい暖かい。
4時過ぎに仕事が終わる。神保町へ。
書肆アクセスで、この1冊。

荻原魚雷さんがいらっしゃっていた。畠中さんにはいつも気を遣っていただいて申し訳なく思う。
いつものコースを回ってタテキンの前へ。集めている冨山房百科文庫が2冊あったのでうれしい。

  • Fr・シュレーゲル「ロマン派文学論」
  • シラー「美学芸術論集」

ともに200円。
喫茶ぶらじるでひと休み。いつものシフォンケーキにブレンド。「気まぐれ古書店紀行」を繙く。サイン本を期待していたが見返りに何も書いてなかった。残念がっていると、ありました、ありました。こんなところに隠れていたとは。僕のは「北の国から」バージョンでした。田中邦衛が似てます。最初の天誠書林編から読んで行く。書き込みがとてもいいアクセントになっている。一編を読み終えて、も一度表紙を眺め、ページを繰っていろいろな書き込みをチェックして行く。なんと言ったらいいのだろう。ただ、とても幸せな本だな、と思った。
その後、山陽堂の店頭から1冊。

100円。
日本特価書籍で。

最後の本だけ、ゾッキ本谷内六郎本は解説の一部を橋本治氏が書いている。岩田専太郎本は先日読んだ大村彦次郎「時代小説盛衰史」にもよく名前の出てきた挿絵画家の画業がたっぷり収められている。その美人画の妖艶さに思わず目を奪われてしまう。
谷内六郎 昭和の想い出 (とんぼの本) 岩田専太郎 (らんぷの本)
帰りの車中は、三國一朗「肩書きのない名刺」を読む。江戸家猫八を語り、深夜放送の黎明期を語り、水谷八重子越路吹雪を語る。その余裕のある筆遣いに心地よく運ばれて行く気分。読んでよかったと思いながら、これまで読まなくてよかったとも思う。この文庫が出た20年前に20代で読んでいたとしたら、今の半分も面白がれなかったはずだ。もちろん、20代で読んでも今の僕より深く楽しめる人は数多くいるだろうが、僕の20代では無理。久し振りに時を得た読書をしている感じ。
帰宅後、昨日受け取れなかったゴディバのチョコレートを宅配業者から受け取り、それを食べつつ「気まぐれ古書店紀行」を読む。