名探偵が多すぎる。

目が覚めるとやはり体が風邪っぽい。寝床の中で昨日録画してあった「名探偵探偵赤富士鷹」を観る。アガサ・クリスティーABC殺人事件」の舞台を日本の昭和初期にうつした翻案もの。主役の古本屋店主赤富士鷹役の伊東四朗さんがいい。昭和初年の雰囲気を大道具・小道具でよく出しているし、脇役陣の充実振りも見事。質の高いドラマだ。「ABC殺人事件」は初めて読んだクリスティの作品。中学時代はそのためにクリスティ(エルキュール・ポアロもの)ばかりを読む3年間であった。
その後、これも昨晩録画しておいた刑事コロンボ「別れのワイン」を途中まで観る。初期のコロンボの傑作の1つ。小池朝雄氏吹き替えのコロンボを観ただけで満足。
テレビを消し、洗濯機を回しながら読書。先年退職した職場の上司が文芸社から自費出版した本をいただいたのでそれを読むことに。10年ほど前に耳の病気で入院した時の日記だ。法学部を卒業して就職したのだが、「人はなぜ生まれ死んでいくのか」という疑問に打ち当たり、30歳近くでもう一度大学の哲学科に入ったという経歴の持ち主で、僕が今の職場に就職した時の直属の上司だった人。右も左もわからなかった僕を色々と教え、導いてくれた恩人のひとり。哲学的問題を抱えて生きている人なのだが、日常生活はベランメェでざっくばらん。職場の女性にはえり好みをせずに博愛主義的にちょっかいを出す人で、僕にもやたらと職場の女性を紹介してくれるのだが、最初の人はお孫さんがいたし、2番目の人は母親と同い年であった。本を読んでも病院の看護婦さんたちにあだ名を付けながらよく観察しているなあと感心してしまう。人間の生と死を考えている人らしく同室の人の死や死を意識して闘病している患者さんたちの様子を客観的にしっかりと記録している。そして、時には思いあふれて涙をながすのだが、そんな自分もしっかり距離を置いて描写しているため安心して読める。僕が同僚と一緒にお見舞いにいった時のことも数行であるが触れてあった。その時も「あの看護婦がいいんだよ」と言っていたっけ。久し振りにこの恩人と長時間話をしたような気持ちになった。
午後から年賀状書き。DVDで「ベニイ・グッドマン物語」を流しながら万年筆をひたすら動かす。前回観た時は気付かなかったがスタン・ゲッツがグッドマンオーケストラのクラリネットセクションのひとりとしてクラリネットを気のない素振りで吹いているシーンを発見する。ほんとにゲッツはやる気まったくなし。らしくていい。

アマゾンよりペリカン便が届く。谷沢永一「紙つぶて 自作自注最終版」(文藝春秋)だ。先日、神保町で1割引で買おうとして果たせず、結局手元にあった1500円のギフト券を使ってアマゾンで購入することにしたのだ。やはり、自注が楽しみ。2500円で「紙つぶて」を、2500円で自注を買ったという気分。
3:50から「古畑任三郎」の再放送を観ながら年賀状書きを続ける。
一段落して、食事をとりながらテレビで「ゴジラ・ファイナルウォーズ」を観る。いや〜、このジャンクな感じがたまらない。X星人が友好的な素振りで来ながら実は地球の人間を家畜化しようとしているというベタな設定といい、「マトリックス」や「スターウォーズ」のパクリ場面満載なところといい、たまらないですね。大笑いしながら鑑賞する。
9時からは「名探偵赤富士鷹」の第2回「愛しのサンドリヨン」を鑑賞。これもアガサ・クリスティ原作なのだが、作品名が思い浮かばない。「愛しのサンドリヨン」という作品は覚えがないのだが。とりあえず、吹石一恵がいい使われ方をしていると思う。長澤まさみといい最近スポーツ選手の娘さんが活躍していますね。
今年もあと1日。明日は実家に帰ります。早く風邪を治さなければ。