アノクタラサンミャクサンボダイ。

今日で仕事が一段落ついた。といっても休みになるわけではなく、暮れの28日までは働かなければならないが、仕事の量が格段に違ってくるのだ。
それを祝うために仕事帰りに歩いて近くのブックオフへ。105円棚より文庫本10冊購入。

「花顔の人」はおまささんのブログ(id:mittei-omasa)で取り上げられていたもの。不案内な新派についての勉強本として入手。
「評伝 今西錦司」は、中・高生時代に教科書に載っていた「私の進化論」を読んで一時期“今西進化論”にハマった思い出があったので。といっても今西氏の論文を読んだこともなく、「ダーウィン論」(中公新書)に目を通したくらいなのだが。
「私の絵日記」はつげ義春夫人である藤原マキさんの絵や文章を集成したもの。“つげ家の人々”という写真集と夫・つげ義春氏による「妻、藤原マキのこと」というロングインタビューも収録されている。
ハイスミス本はダブリ。昨日買った「11の物語」より新しい作品を集めた短篇集。持っているハイスミス本を何冊か友人に送るつもりなので、予備として買っておく。
「ニューヨーク読本」シリーズはニューヨークに関わる文章を集めたアンソロジー立花隆三島由紀夫池島信平永井荷風開高健植草甚一片岡義男山口昌男井上ひさし川本三郎清水俊二大岡昇平といった興味深い人たちの文章が収録されている。
「男性自身」シリーズはこれまで目につくと買ってあったのでどれを持っているかよく分からないのだが、あとで後悔したくなかったのでとりあえず3冊ともかごに入れた。この日記で検索してみると「素朴な画家の一日」がダブリであることが判明。もしかしたらすべてダブっている可能性もあり、怖くて本棚がチェックできない。
帰宅すると、ポストに岡町高弥(okamachi)さんから「Monthly Takamitsu」119号が届いていた。封を切って目を通す。しかし、演芸を中心によくこれだけ沢山の舞台やコンサートに足を運ばれているものだと驚く。僕がよく覗いているブログの方たち同様、岡町さんも先頃他界した桂吉朝さんの死を悼んでいる。皆さんの嘆きの深いことを知るに、一度も高座を聴いたことのないこの方の噺を是非聴いてみたかったと思う。CDなどの音源は残っていないのだろうか。調べてみよう。しかし、こういった僕の思いも119号に載っている堀井憲一郎氏の文章によれば、《死んだ落語家の話をしている連中は、落語の話しをしてるんじゃなくて、自分の話しをしてるだけだ》ということになるのだろうな。
今日も、帰りのバスの中で古今亭志ん生「うなぎの幇間/替り目/佃祭り」を聴いていた。確かに僕は落語に関しては“死体愛好者”なのかもしれない。まあ、そう思う人がいるならそれも仕方がないや。ただ、「いいものはいい」というだけなのだが。
別に堀井氏の文章を読んだためではないが、1月8日の立川談春独演会(於横浜にぎわい座)のチケットをネットで購入した。
メールチェックをすると、昨日メールで注文した本に対する返事が古書現世の向井さんから来ていた。結果は3冊ともダメ。これで2回連続で全滅だ。やはり、注文するのが遅いのだろうな。それとも僕のセレクトが余りに常識的なため多くの人と被ってしまうのかもしれない。古本者としての修業の足りなさを痛感する。インドの山奥にでも行って修業しますか。

【追記】
アマゾンで検索したら、桂吉朝さんのCDが何枚も出ていることが分かった。是非聴いてみようと思う。