都市空間論のアイドル。

いやぁ、あったかい朝なのでびっくり。ヒーターを入れっぱなしで寝たのかと思ったくらい。
8時過ぎに職場を出て、同僚といつもの料理屋で食事をしてから帰宅。
ポストに、“海月書林 冬の古本市”を知らせる葉書が入っていた。場所は荻窪ひなぎく。昨年も、ひなぎくで行われた海月書林のイベントを覗きに行き、文庫カバーと『いろは』を買ってきたことを思い出す。あそこで飲んだチャイが美味しかったな。今年は12月9日から13日まで。時間が取れれば行ってみたい。相変わらず、センスのよい葉書だなと感心する。
ブログ散歩中に「悪漢と密偵」(id:BaddieBeagle)で12月のみすず書房の新刊を知る。この1冊に思わず「おっ」と声が出た。「悪漢と密偵」のネタ元であるBOOKCLIPから該当本の情報を抜き出しておく。


12月中旬 税込価格:3,990円 ISBN:4622071827

八犬伝』から一葉、鏡花、荷風そして山田風太郎まで。縦横無尽、偉大な国文学者の「語り」遺産。井上ひさしほかと対談。『都市と文学(2)』同時刊。

前田愛氏は僕の大学時代の近代文学研究を面白くしてくれていた人。前田氏の「都市空間のなかの文学」をワクワクしながら読んだことを覚えている。大学の国文科に入ると恩師がその年の授業初めに、「僕の授業を聞くより、これらの本を読んだ方が意味があると思います」と言って挙げた3冊のうちのひとつ。他の2冊は磯田光一「戦後史の空間」と柄谷行人日本近代文学の起源」だ。乗せられやすい僕は、この3冊を無理して買い、時間をかけて読み進めた(精緻にという意味ではなく、僕の理解力ではすらすらとはいかなかったのです)。その頃、確かにこの3冊は輝いて見えた。まあ、そんな時代だったということか。