馬車道→伊勢佐木→馬車道。

仕事で600人のお客さんを前に5分の予定で説明をする。当日になって説明する項目を追加された上に、「お客さんがメモをとるからゆっくり話して」と上司から言われ、終わってみれば15分以上かかってしまう。別の項目を説明する後の2人の同僚が帳尻合わせでテキパキと端折って説明するのを聴きながら体を小さくしている。
それでも、いつもの土曜より早い3時半に退勤できた。せっかくなので、みなとみらい線馬車道へ出る。馬車道から伊勢佐木モールまで歩き、先生堂古書店→田辺書店→活刻堂→有隣堂本店→ディスクユニオン→誠文堂書店といういつものルートで馬車道へ戻る。
購入本は、まず先生堂で2冊。

ともに200円。
有隣堂井伏鱒二荻窪風土記」(新潮文庫)を探すも見つけられず。ちくま文庫の復刊「東京百話」シリーズもなし。他のディケンズなどは置いてあるのに。
ディスクユニオンで中古DVD棚を流し、並びのジャズコーナーを覗く。久し振りにジャズレコードを眺める。レコードアルバムのジャケットってこんなに大きかったのかと驚いている自分に気付いた。そういえば最近CDばっかりだものな。このサイズだと普段見慣れたアルバムのジャケットも倍くらいカッコよく見える。お世辞にもスマートでいい男とはいえないジュリアン・キャノンボール・アダレイがサックスを抱きしめているちょっとぼやけた写真のEmacyのレコードにグッときてしまった(もちろんソッチの気はありませんが)。
誠文堂書店の棚をじっくりと見て回る。エドマンド・ウィルソン著作集の文学編があれば買おうと思っていたのだが、残念ながら社会・文明編しか置いてなかった。購入したのはこの1冊。

以前この店で「モロッコ革の本」(筑摩書房)を買ったのでこれでペアを完成させた気分。
電車で「落語名人会夢の勢揃い」を読みながら帰る。京須さんが圓生百席の企画を立てて三遊亭圓生師匠の自宅へいくところにさしかかる。以前に京須さんの「圓生の録音室」(中公文庫)を読んでいるのでなんだか懐かしい感じがする。
地元の書店で2冊。

  • ku:nel』vol.17
  • ミステリー文学資料館編「文豪ミステリー傑作選 ペン先の殺意」(光文社文庫

ku:nel』は故堀内誠一氏のイラストを使った表紙がいい。中のパリ特集にもふんだんに氏のイラストがあしらわれている。出典となっているらしい「パリからの旅」(マガジンハウス)が欲しくなってしまった。
ku:nel (クウネル) 01月号
光文社文庫はまったくその気がなかったのに目次を見ての衝動買い。「黒いトランク」以外の小沼丹ミステリ「バルセロナの書盗」、中原弓彦編集長時代の「ヒッチコックマガジン」にショートショートを書いていた山川方夫氏の「ロンリー・ウーマン」、坂口安吾「選挙殺人事件」、その他芥川龍之介谷崎潤一郎大岡昇平松本清張曾野綾子倉橋由美子遠藤周作五木寛之井上ひさし村上春樹を収録。
帰宅して小山清「日々の麺麭・風貌」(講談社文芸文庫)の続きを読む。「おじさんの話」の不思議な人間臭い味わい、「日々の麺麭」と「聖家族」の切ない美しさ、「風貌」と「井伏鱒二によせて」の醒めた目による温かい回想、「老人と鳩」と「老人と孤独な娘」における孤独な晩年の哀切な夢想などを堪能。その余韻で鈴木地蔵「市井作家列伝」(右文書院)を引っ張り出し、「小山清の清朴」を再読。鈴木氏は「落穂拾い」を一番愛好すると書かれている。それにしても、小沼丹解説の角川文庫「落穂拾い」を古本屋で見つけてみたい(廉価で)。鈴木氏のような署名本でなくてかまわないから。
今日聴いたアルバム。

モーター・シティ・シーン

モーター・シティ・シーン

デトロイト(自動車工業で有名な土地)出身のミュージシャンが集まってご機嫌な演奏を聴かせてくれるアルバム。バリトンサックスのペッパー・アダムス名義のアルバムなのに1曲目の「スターダスト」はトランペットのドナルド・バードのソロ演奏。それでいいのかアダムス。このユルさがたまらない。