「荻窪風土記」を求めて。

ああ、寒い。今シーズン初めてハーフコートを着て職場へ。
明日、大勢のお客さんの前で5分ほどあることについての説明をしなければならず、原稿作りに励む。なんとか原稿を仕上げて9時に職場を出る。
昨日の小山清ショックの影響で井伏鱒二荻窪風土記」を読みたくなる。井伏氏による小山清回想録が収録されているのだ。新潮文庫がまだ生きているはずなので地元の書店、古本屋を回るが単行本を含めて見当たらない。先日、野呂邦暢本などを買った古本屋を覗くと、あの一口ものが入っていた棚だけごっそり本がなくなり、ぼっかりと口を開けた状態になっていた。誰かがまとめ買いしたとも思えないので、市か展示即売会にでも出したのだろう。
日高屋で黒ごまラーメンと餃子を注文する。食事が来るまで京須偕充「落語名人会夢の勢揃い」(文春新書)を読む。「okatakeの日記」(id:okatake)でこの本に触れ、中学生の京須さんが38度の熱をおして三越落語会に行き、名人たちの高座に熱中しているうちに熱の方が下がってしまったという箇所を取り上げているが、ちょうどそこを読み終わった時に黒ごまラーメンがテーブルに置かれた。
帰宅してメールチェック。「書評のメルマガ」238号が配信されている。先日「ナンダロウアヤシゲな日々」で知った

  • 『インターネット図書館 青空文庫』野口英司編著 はる書房 1500円(DVD-ROM付き 4843作品収録)

の編著者である野口英司さんによる自著紹介の文章を読む。野口さんとは南陀楼綾繁さん主催の「一部屋古本市」で初めてお会いし、その後参加させていただいたBOOKMANの会でもご一緒させていただいたことがある。とても温厚でやさしい表情をされる方だ。こういう方があの「青空文庫」をやっていらしたのかと不思議な感動を覚えたことを思い出す。実は昨日bk1にこの本を頼んだばかりだった。手元に届くのが楽しみだ。現在打ち込み完了している作品が付いてくるというのもすごいな。
今日聴いたアルバム。

バッド!ボサ・ノヴァ

バッド!ボサ・ノヴァ

テナーのジーン・アモンズが吹き込んだボサノバアルバムなのだが、あまりボサノバっぽくない。本人それほど乗り気ではなく、看板だけあげといて自分の好きなことを好きなようにやっている感じだ。ジョン・ピザレリの父であるバッキー・ピザレリケニー・バレルを2人ながら呼んでおいて、アコースティックギターを持たせて後ろで大人しくさせているだけというのも勿体ないやら面白いやら。「バッド!ボサ・ノヴァ」というタイトルも開き直っているようで微笑ましい。