二番煎じ。

朝、目覚めて愕然とする。枕元の目覚ましは7時半をさしているではないか。まるで昨日のリプレイを見ている感じ。同じ1日が毎日繰り返されるなんて今時もうはやらないSF小説のようだ。2日続けて2時間寝坊するとは、自分の中で何かが壊れたのではないかと一瞬不安になる。しかし、そんな不安に浸っている余裕はない。急いで身繕いをして職場へ。
今日も滑り込みセーフで仕事が始まる。夕方、外での仕事のため、職場の建物を出ると、向いの建物の屋根に被さるような大きな黄色い満月がかかっている。風の冷たさを感じながら野外での仕事を終えて職場へ戻ると、トラブル発生。バタバタとその対応に追われているうちに9時半を過ぎる。思えば今夜はサッカー日本代表アンゴラ代表戦があったのだが見損なったか。まあ、しょうがないやとあきらめて駅前のカウンターだけのつけ麺やで味玉つきつけ麺を食べてバスに乗る。バス待ちの時間に京須偕充「落語名人会夢の勢揃い」(文春新書)を読む。筆者が通った初期の東横落語会のメンバーはいつ見てもため息が出る。文楽圓生志ん生三木助・小さんというレギュラーメンバーを聴きに都電に乗って行くなんて。ああ、うらやましいな。
バスを降りて家路をたどる。耳にはipodから金原亭馬生「二番煎じ」が流れている。完全に冬の風となった寒風を身に受けながら眺める気の早い家々に点滅するクリスマスイルミネーションは、その思いと裏腹に寒々と見えてしまう。夜回りをする「二番煎じ」の一行も冬の夜道の冷えっぷりに音をあげている。イヤフォンから流れる「火の用〜心、しゃっしゃりやしょ〜う」を聴きながら帰宅。
火の番小屋ならぬ我が部屋で、火鉢の代わりにオイルヒーターをつけ、熱燗の代わりにホットのヘルシア緑茶を飲んで暖をとる。
本当なら明日は遅番なので、これからゆっくり読書といきたいところだが、今日のトラブルで朝から出勤することになりそうなのでもう寝よう。
今聴いているアルバム。

キャノンボール・アダレイビル・エバンスの共演盤。1曲目にビル・エバンス・トリオの名盤として知られる「ワルツ・フォー・デビイ」の表題曲が演奏されている。トリオ盤のイメージを壊さない品のいい仕上がりになっていると思う。